幸せは、「達成感」でもなければ「満たされること」でもない。

「幸せは満たされること」という前提で、「適当なところで諦めることから見えてくる幸せもあるんじゃないか」と提案する文章を読みました。

その方が言いたいことはよくわかります。

ただひとつだけ気になったのは、前提です。この前提で「幸せ」をとらえてしまうと、誰一人として幸せになれません。まずは、その思い込みが不幸の元じゃないかと。

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『どうせなら、楽しく生きよう』を読んで、胸のうちを打ち明けたい人へ

キンドル書籍『どうせなら、楽しく生きよう』をお読みいただいた方から、多くの暖かい感想をいただいています(アマゾン読書メータートゥギャッター)。つらい体験への共感を覚えた方も多いようです。

 

でも、なかなか自分のつらい体験を他人に語ることはできないものです。

私もそうでしたが、最も身近な人にこそ、語ることができません。言いたいことを言ってしまった後の付き合いがあるからです。でも、言わないでためこんでいると、胸がいっぱいになって張り裂けそうになります。

そういう気持ちはとてもよく分かりますので、『どうせなら、楽しく生きよう』を読んでそういう気持ちを打ち明けたくなった方に、自由に使っていただける「王様の耳はロバの耳!」コメント欄を作ろうと思いました。

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気軽に助けあおう

日本人は気軽に助け合うのが苦手です。

「ひとさまに迷惑をかけるな」と言われて育つので、困ったときにも「助けてください」と援助を求めることができず、「自分だけでなんとかしなければならない」と思いつめてしまいます。

ベビーカーで電車に乗る若いお母さんや妊婦に席を譲ることに関する話題でもそれを感じます。 「ベビーカーをたたんで乗れ」、「混んだ時間を避けろ」という批判だけでなく、「せっかく助けてあげようとしたのに断られたから次からはやめる」などの意見もあります。「迷惑をかけるな」と攻撃されるので、助けようとする人があらわれても受け入れてはいけないような気がしてしまうのです。

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心を治療するのはどんな人たちなのか? 最相葉月著『セラピスト』

私の周囲をざっと見渡しただけでも、心の問題を抱えている人は多い。

「心理カウンセラーに相談したほうがいいよ」とアドバイスする人はいるが、誰に相談すればいいのかわからないし、そもそも、よく耳にする「カウンセラー」がどういう専門職なのかもよくわかっていない。

最相葉月氏も、最新作『セラピスト』のなかでカウンセラーについて次のように書いている。

「どんな資格をもって、どのように治療に臨むのか。そんな基本的なことさえ混乱しているのに、世の中は未曾有のカウンセリングと心理学のブームである。」

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ひとり遊びを大切にしよう

ソーシャルメディアを利用していると、いつもリアルタイムで人と繋がっています。便利な世の中になったことをふだんは感謝しているのですが、以前より忙しくなってしまったことも否めません。

特に日本に帰省すると感じることなのですが、どこに行っても「ノイズ(騒音/雑音)」が追いかけてきます。電車では「傘を忘れるな」とかいちいち余計なお世話のアナウンスがあるし、誰かの家に行くと会話中でも背後にテレビがついています。町を歩くと、売り出しの派手な色や光、スクリーンが目に入ってきます。1日の終わりには、五感への過剰な刺激でぐったりしてしまうのです。

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どうせなら、ポジティブに生きる努力をしようじゃないの

ネットでは、ときおり本当に思いがけない反応があるものなのですが、先日もツイッターで「どうしたらそんな受け止め方ができるわけ?」と驚くケースがありました。

「偉いね。応援するよ」という意味のとある人のツイッターのコメントに対して、「茶化しているんですか?」という怒りで反応し、真意が伝わらなかったことを謝る丁寧な対応に対しても、それが「上から目線だ」と憤り続けています。彼は、誤解という非が自分にあるのではなく、あくまでも他人にあると考えているので、この理不尽な、そして、何の益もない怒りから抜け出せないでいるのです。

そこで思い出したのが、先日冷泉彰彦さんから献本をいただいた『「上から目線」の時代』です。

 

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いま、多くの方に読んでいただきたい「心のケア」

東日本大震災では、直接被害を受けていない日本人も、少なからず精神的な影響を受けました。「何かをしたい」という気持ちと「何もできない」という罪悪感、そして、いぜんとして解決しない原子力発電所と放射能の問題に対する怒りが、多くの人々の心をささくれ立ったものにしています。

被災地に入り込んでボランティアをされた方々も多くいらっしゃいます。それらの方々の勇気と行動力には頭が下がる思いでしたが、被災によって心に傷を負った方々に接する心の準備ができている方は少ないのではないかと気になっていました。

ノンフィクション作家の最相葉月さんが、「兵庫県こころのケアセンター」の副所長の加藤寛氏と共著された「心のケア」が、それらに応える本だと思いましたので、ご紹介させていただきます。

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「犠牲者」にならないための護身トレーニング

二年ほど前に娘がニューヨーク市にある大学に行きたいと言ったとき、私のリアクションは、「だって、危ないじゃない!」というものでした。けれども、娘は、「ニューヨーク市は、最近とても安全になっているのよ」と平然としたものです。

ニューヨーク市に住んでいたことがある夫の対応は、もっと冷静で実用的なものでした。

「田舎であろうが、都会であろうが、一人暮らしの若い女性への危険は存在する。親がその危険からずっと守ってやることは不可能なのだから、危険をいかに回避するのか、危険に遭遇したときにどう対応するのか、それを教えてやることのほうが重要だ」と言い、護身クラスを受けることを大学進学の条件にしました。

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