「犠牲者」にならないための護身トレーニング

二年ほど前に娘がニューヨーク市にある大学に行きたいと言ったとき、私のリアクションは、「だって、危ないじゃない!」というものでした。けれども、娘は、「ニューヨーク市は、最近とても安全になっているのよ」と平然としたものです。

ニューヨーク市に住んでいたことがある夫の対応は、もっと冷静で実用的なものでした。

「田舎であろうが、都会であろうが、一人暮らしの若い女性への危険は存在する。親がその危険からずっと守ってやることは不可能なのだから、危険をいかに回避するのか、危険に遭遇したときにどう対応するのか、それを教えてやることのほうが重要だ」と言い、護身クラスを受けることを大学進学の条件にしました。

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職場と家庭での人間関係に役立つ本2冊

米国在住の心理学博士の中村佐知さんが、「Hope for Japan Fair」用に2冊の翻訳本をご寄贈くださいました。

 

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ああ、言いまつがい…

昨日内田樹先生の「街場のメディア論」について書き、間違いがないかざっとチェックしてからツイートに投稿し、そのまま離脱(その場を離れること、あるいはオフラインになること)をして今朝までチェックしなかったら、なんと大切なタイトルを間違う失礼をしていました。「街角のメディア論」と書いていたのです。

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私がいちばん嫌いな表現…

のひとつは、「最近の若者は…」で始まる若者批判です。

「最近の若者は礼儀を知らない」、「最近の若者は勉強ができない」、「最近の若者はやる気がない」…

どの時代もそうだったので、特に変わりはないわけですが、それを別にしても私はこの表現がすごく嫌いです。その理由はこのようなものです。

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J.K. Rowlingとうつ、自殺念慮

Jkrowling
ハリー・ポッターシリーズの作者J.K. Rowlingが、スコットランドの大学の学生雑誌で、一時期うつになり自殺念慮があったことを告白しています。(AP。参照はMSNBC)
それは、ハリー・ポッターを出版する以前のことで、最初の夫と別れ、シングルマザーとして経済的に困窮していた時期で、彼女は9ヶ月間認知行動療法を受けたということです。
(左の写真はJ.K. Rowling。Biography Onlineより)

彼女の尊敬すべきところは、自分の体験を以下のように語っているところです。
"I have never been remotely ashamed of having been depressed. Never,""What’s to be ashamed of? I went through a really rough time and I am quite proud that I got out of that." (「私はうつだったことを、ちっとも恥じたことはありません。本当に全然」「なぜ恥じなければならないのでしょうか?私は本当に困難な時期を体験したのです。そして、それから抜け出したことをけっこう誇りに思っているのですよ」)

J.K. Rowlingが大学の雑誌で初めてこのような体験を語ったのは、若者に「どんなに成功している者でも、徹底的に困難な時期を体験している」、「うつや自殺念慮を恥じることはない」、「抜け出せば、将来に予期しない良いことが待っているかもしれない」というメッセージを与えたかったのかもしれません。
彼女のこのうつの体験が、ハリー・ポッターが一番恐れていた闇の存在「ディメンター」のモデルになったということです。その部分に、私は「なるほど」と思いました。希望や幸福感を吸い取ってしまうことが人の身体を傷つけるよりも致命的なのだということは、うつを体験した彼女でなければ思いつかなかったことでしょう。