昔のアルバムを聴きたくなるーIt Might Get Loud

「ジミー・ペイジとU2のジ・エッジ、ジャック・ホワイトの3人を同じ場所に集めたら面白いだろうなぁ」という発想は抱くのは簡単ですが、それを実現してしまったところがこのドキュメンタリーフィルムのすごいところです。


3人が引き受けた条件はスクリプトなしで自由にさせてもらうということ。その影響でフィルムにはちょっとまとまりのない感じがありますし、It Might Get Loudというタイトルから期待されるほどLoudにならないのが残念です。けれどもそんな欠点を差し引いても、見応えがあるフィルムでした。というのは、彼らのミュージシャンとしての素顔が透けて見えるからです。

この3人の年齢差はちょうど15才くらいなので、3つの異なる世代を象徴しているだけでなく、ミュージシャンとして人生のどの地点にあるかも異なります。34歳のホワイトはまだまだ毒も刺もありますが、65歳のペイジは悟りを開いた賢者の雰囲気が漂っています。48歳のジ・エッジはその中間でちょうど私の年代。尖ってもいないし枯れてもいない感じが素敵です。性格の差とギターのひきかたの差も感じます。

3人が会ってからの場面よりも、個々の音楽的な背景を語る部分が多く、それが不満な評論家もいるようですが、私は十分楽しみました。ヤードバーズやツェッペリン時代のフィルムなどは、懐かしさについため息が出ます。
ホワイトの天才的な音楽のセンスも印象的でしたが、やはり私はペイジにうっとり、でした。またツェッペリン聴きたくなりました。

残念ながら大きな映画館では上映しておらず、アートハウス専門です。

ボストン周辺では以下の2つの映画館のみです。

 Kendall Square Cinema
1 Kendall Square, Cambridge, MA – (617) 499-1996 – Map

West Newton Cinema
1296 Washington St, West Newton, MA – (617) 964-6060 – Map 

ナンタケット島の秘密の散歩道

この内緒の散歩道を公開すると、近所に住んでいる姑の友人が嫌がると思うのですが、日本人の方が押しかけることはないと思うので教えちゃいますね。

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Nantucket島の最東端にあるSeasconset(スコンセットと発音します)という可愛らしいビレッジがあります(地図のAの場所です)。捕鯨が盛んで世界で最も裕福だったころには夏の間漁師が滞在する小屋が並んでいた場所でした。
捕鯨がすたれたあとしばし経済的に落ち込んだNantucketですが、ボストンやニューヨーク市のお金持ちの保養地として生返り、漁師の小屋はファッショナブルな夏のコッテージになりました。

Seasconset

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Seasconsetゴルフクラブは昔からの住人が優先。どんなにお金持ちでも有名人でも飛び越して会員になれないというもので、かえって羨望の的なのだそうです(私はゴルフをしないのでどっちでもいいのですが)。
そういうことで、現在この村は維持費だけで年に1億円くらいかかる別荘が立ち並ぶ高級地でもあります。

私たちがよく楽しむのは、そのお金持ちの裏庭を突っ切る散歩道です。
彼らの裏庭と海の間にある土地は島の公有地であり、誰にでもアクセスする権利があるのです。そこで、私有物の裏庭に足を踏み入れず、住民の邪魔をしないというエチケットに従うことを条件に散歩をすることができるのです。

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最近のオーナーたちはこうして散歩道と裏庭の間に植木の壁を作るようになりました。その気持ち、わかりますcoldsweats01

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ビーチは公有地なのですが、ビーチへのアクセスは私有なのです。だからこのゲートより先はPrivate.そして、そこから下のビーチを見下ろすとこんな感じ。いくら公有地といっても一番近くのビーチから歩くとけっこうな距離があるので、ほぼプライベートビーチと同じですね。

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下はまるで秘密の花園のようなイメージのリンゴの木のトンネルです。
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もちろん宣伝はしていないので、この道を知っている人はさほど多くはありません。一番上の写真の道(これは有名)を最後まで行って、そこを右手に入り込むとこの道があります。
この道を訪れるチャンスがあったら、エチケットを守って美しい風景と豪邸(といっても地味にするのがこの島の美感です)の見物を楽しんでみてください。

オバマ大統領の医療制度改革に対する反発は、羊の皮をかぶった「人種差別」である

世界で最大の医療費を費やしながらも無保険者の割合は先進国で最大。毎年値上がりする医療保険は、個人事業のわが家では月額12万円程度になっています。これでは年収が1千万円を超える中流階級でもいったん職を失うと無保険にならざるを得ません。この状態で深刻な疾病に罹患したら、財産をすべて失い、ホームレスにもなりかねません。

徹底的に崩壊した医療保険制度ですが、この改革に手を出した政治家はすべて致命的な火傷をするとみなされています。有名な例がクリントン大統領夫妻です。当選したばかりのクリントン大統領が妻のヒラリーを起用して試みた医療制度改革は、共和党右派の激しい攻撃に合ってついに断念せざるを得なくなりました。国民は共和党のダーティな戦略に洗脳され、次の総選挙で民主党は多くの議席を失いました。

この危険な医療制度改革をオバマ大統領が再び試みています。
政治的には不利でも、国民のために行わねばならない、という使命感からです。
勇気ある行為ですが、ふたたび共和党右派はこれをつぶしにかかっています。

もっと不安なのは、クリントン時代よりも激しい怒りを噴出しているTea Partyデモ(米国の独立戦争勃発寸前、サミュエル・アダムスが率いるグループが英国の植民地政策に反対して紅茶をボストンの港に放り込んだBoston Tea Party事件から名前を借りている)です。

これを観ていて、私は娘にこう言いました。

「オバマの『社会主義』に反対する彼らの意見は表層的な言い訳であって、実は人種差別を根底にした白人の不満の噴出にすぎない。本来であれば彼らの奴隷にすぎない黒人のオバマが大統領として自分たちの上に立つことがどうしても受け入れられないのだ。たとえ本人が認識していないとしても、それは厳しく自問していないから。社会主義を恐れている人がいるとしたら、それは白人優先主義のプロパガンダに洗脳されただけ」

すると昨日のニュースでカーター大統領が私と同じようなことを言ってくれました。そう思っていてもなかなか言えないのがクリントン大統領の立場(ヒラリーが現役の国務長官ですから)、それをはっきりと言ってくれたカーター大統領には拍手喝采です。カーター大統領は「極左」だと軽く無視される傾向があるので、効果は期待できませんが…それでも誰かがはっきり口にするべきことです。

追記:

この現象はなにも黒人への差別に限ったことではありません。

このTea Partyに参加しているのは、基本的に「アングロサクソンは生まれつき他の人種よりも優れている」という信念以外には誇りにできるアイデンティティがない人々です。彼らは、社会経済的に優位な地位をしめていたマイノリティのユダヤ系に支配されることを恐れたドイツの白人(ゲルマン/アーリア人)たちであり、80年代に日本がアメリカ経済を侵略することを本気で恐れて日本製の車を破壊したアメリカ人たちなのです。彼らが今恐れているのは、「オバマがもたらす社会主義」ではなく、オバマ大統領が率いる黒人たちが白人の彼らを支配する世界の到来なのです。

彼らの被害妄想はホントの本気です。だからよけいに「馬鹿な奴らだ」で済ませられないと思います。

ところで、ホワイトハウスは「人種差別」を否定していますが、これはごく当然の対応です。これを訴えると重要な医療制度改革から横道にそれてしまいますし、被害者意識をあらわにすると彼を支持している白人まで敵に回すことになります(ハーバード大学のゲイツ教授の事件でも明らか)。つまり政治的に百害あって一利無しなので「人種差別カード」は使わないようにしているのです。それゆえカーター大統領の発言を非難する声は民主党サイドからも聞こえてきます。でも、私はあえてカーター大統領の率直さをたたえます。

住んでいる町がどう運営されているかを知ろう

民主主義についてこれまで何度か書いたことがありますが、日本に住んでいたころ私自身が誤解していた民主主義はけっこう「政府まかせ」でした。税金さえ払っていたら国民(市民)としての役割は果たしており、うまく行かないときにはぶつくさ愚痴を言うしかないというものでした。

アメリカのマサチューセッツ州レキシントン町に移り住み、民主主義が遂行されるためには、国民(市民)が知識を得て口も手も出さねばならないのだということを学びました。野次馬のままではいけないのですね。

私は永住権(通称グリーンカード)を持っていますが国籍は日本です。従って選挙権はありません(国の方針を決めるのは国民のみの権利ですので、私はこれに異論はありません。例えば「徴兵制度」ができたとしたら国民には遂行の義務があります。そんな制度を決める代議士を選ぶ権利を「徴兵」義務のない国民以外に与えるのは論理的ではありません)。

ですが、この町の良いところは、投票権がないからといって私のような移民の声を無視しないことです。それどころか「私たちには見えない盲点を突く発言をしてほしい」とかえって貴重な存在として扱っていただき、移民の声を地方政治に反映しようと努力してくれることです。町の将来のために行政委員(選挙で選ばれた町民ボランティア)に政策をアドバイスする2020 Vision Committeeというのがあり、私は7年ほど前からその下部委員会のいくつかに誘われて参加してきました。

私が提案したことのいくつかが実現したときに、これほど喜びを感じたことはありません。

これまでいくつかの会議で繰り返し語られたのが「町民が行政に対して不信感を抱く背景には、未知のものにたいする猜疑心がある」という見解です。知人の香港からの移民が「教育委員は自分の得になるから選挙に出る。そうでなければあんな仕事は引き受けない」といったわけのわからない確信を抱いているのがよい例でしょう。
そこで何度か、「そういう人々に町がどのように運営されているのかをわかってもらう方法」が話し合われてきました。

その新たなる試みがこれ、Lexington Citizen’s Academyです。

Lexington_citizens_academy

町がどう運営されているかを知るだけでなく、町を運営する人々と直接語り合うと町の一部になった実感もわいてきますし、信頼感も生まれます。Lexingtonの町民でしたら、全コースに参加できなくてもぜひご参加ください。
参加料はタダですが、登録の必要があります。
電話でOKです。

コンタクト:Brianna Olson (Town Manager’s Office)電話番号: 781-862-0500 x209 または bolson@ci.lexington.ma.us

期間:2009年9月22日から11月16日。最終日(火)をのぞき毎週月曜日午後7時〜9時

レキシントン町に関する記事バトルグリーンをこちらに(途中まで)載せていますので、ご興味ある方はお読みください。

また、教育に関する記事はこちらをどうぞ。これも書きかけですcoldsweats01