目が悪くなることの利点

写真はパブリックドメイン

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20代前半まで、視力検査の線より数歩後ろに下がっても一番下までくっきりと見えるほどの視力だった。

なので、「目が見えない」ことの悩みというのがちっともわからなかったのだけれど、20代後半に仕事でコンピュータを使うようになって突然視力が低下しはじめた。

今はアメリカ在住なので(計測の仕方がちがうから)日本でいう視力は不明なのだけれど、ともかく見えない。本を読み過ぎると、夕方には視界が二重どころか五重くらいになって眼鏡をかけても物の輪郭がわからない。

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優等生症候群にご注意を

ふだん「若者よ」といった苦言はしませんが、今日は珍しく苦言です。

先日、ボストンで非常に人気があり、就職どころかインターンになるのも難しい会社での日本人のインターン募集のお知らせをしました。

普通の経路ではなかなか人をとらない会社です。

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私の人生をよく生きる権利

糸井重里さんの9月16日の「今日のダーリン」(コンテンツは毎日更新なので同じ内容ではありません)に、こんなことが書いてありました。

 

わたしは「いてもいいんだ」という肯定感。
わたしは「いたほうがいいんだ」という歓び。
それは、じぶんひとりでは確かめにくいものだ。
「いてもいいよ」「いたほうがいいよ」という、
声や視線が、「誇り」を育ててくれるかもしれない。
懸命に勉強をして、じぶんが「いてもいい」ことを、
なんとかじぶんで探しだすことも、ありそうだけれど、
ひとりでやるより、誰かに手伝ってもらったほうがいい。


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どうせなら、ポジティブに生きる努力をしようじゃないの

ネットでは、ときおり本当に思いがけない反応があるものなのですが、先日もツイッターで「どうしたらそんな受け止め方ができるわけ?」と驚くケースがありました。

「偉いね。応援するよ」という意味のとある人のツイッターのコメントに対して、「茶化しているんですか?」という怒りで反応し、真意が伝わらなかったことを謝る丁寧な対応に対しても、それが「上から目線だ」と憤り続けています。彼は、誤解という非が自分にあるのではなく、あくまでも他人にあると考えているので、この理不尽な、そして、何の益もない怒りから抜け出せないでいるのです。

そこで思い出したのが、先日冷泉彰彦さんから献本をいただいた『「上から目線」の時代』です。

 

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更年期の「お年頃」の女性への健康アドバイス

15年近くずっとジョギングを続け、ジョギングができないときには別のエクササイズを毎日欠かさずやってきたのに、一昨年と昨年にかけて突然10kgほど体重が増えました。食事量が増えたわけでもなく、「そんな不公平な!」と嘆いていました。

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ああ、言いまつがい…

昨日内田樹先生の「街場のメディア論」について書き、間違いがないかざっとチェックしてからツイートに投稿し、そのまま離脱(その場を離れること、あるいはオフラインになること)をして今朝までチェックしなかったら、なんと大切なタイトルを間違う失礼をしていました。「街角のメディア論」と書いていたのです。

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名前が覚えられない家族

わが家は3人とも名前が覚えられません。

そのすごさはほぼ病的。私と夫の場合は「歳」のせいにもできるけれど、17才の娘もそうだってことは、遺伝なのかもしれません。

昨夜の私たちの夕飯の会話なんて、他人が聞いたらもう全然分からないでしょうね。

その1

「綺麗な女優って、歳を取ったときの切り替えができない場合が多いよね。40歳過ぎてラブコメの主人公やってるわけにはいかないし(私)」

「FriendsのRahel役(*1)。だんだん出演する映画の質そのものが落ちてきて、可哀想になるくらい(娘)」

「その点、まだ若いのにMy Sister's Keeperで母親役やった彼女(*2)は偉いね。生き残りの術を知ってる。ほら、Being John MalkovichCusackの奥さんやった彼女.(私)」

「あ、わかるわかる。あの人ね。Hotなお母さん役のほうが、くたびれたラブコメの主人公よりカッコいいもん(娘)」

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その2

「ところで美しくなくて痩せてもいないあの女優(*3)は、歳を取っても沢山仕事が来てるね。名前が思い出せない〜。出演映画は、The Devil Wears Prada, Sophie's Choice, Adaptation..(私)」

「…Cruella De Vilとか?(夫)」

「それは違う人!(と、即座に私と娘) 」

「●●●(*4)だよ(と私。この名前がなぜかすんなり出て来るのは不思議)」

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その3

「そういえば、すごく才能があったのに、映画から消えちゃった人もいるね(私)」

「Benny and JoonのJoon。Fried Green Tomatoでも演技力が良かった。ほら3つ並んでる名前の人(*5)…(娘)」

「わからない(夫)」

「何言ってるの!あなたが昔好きだった女優じゃないの、覚えてないの?(夫に向かって尋ねる私)」

「今のことも覚えてないのに、昔のこと思い出せるわけないじゃん(夫)」

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その4

「それで例のSophie's Choiceの女優に沢山役が回ってくることについて『looks like an unmade bed』って言った、美人だけれど演技力がない女優..あ〜名前が思い出せない(私)」

「それは、●●●だよ(*6)!ほうら、僕だって名前はちゃんと思い出せるんだ(と最後に威張る夫)」

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上記の女優の名前をすぐに思いついたあなたは偉い!

そうではない方には下記が回答です。いくつ分かったかな?

*1 Jennifer Aniston

*2 Cameron Diaz

*3 Meryl Streep

*4 Glenn Close

*5 Mary Stuart Masterson

*6 Sharon Stone

すぐにモノを失う私が何度も思い出す詩

この間からiPodが見当たりません。
そのうえiPhoneのiPod機能が不調なのでジョギングのときに音楽が聴けなくて困っています。

私はしょちゅうこんなふうにモノを失います。
まるで我が家にブラックホールがあるみたいに。
で、そういうときに思い出すのがこの詩です。

なかなか深い詩だと思いませんか?
特にビショップのバイオを読むと、「なるほど」と感じます。

One Art

 
by Elizabeth Bishop
The art of losing isn't hard to master;
so many things seem filled with the intent
to be lost that their loss is no disaster.

Lose something every day. Accept the fluster
of lost door keys, the hour badly spent.
The art of losing isn't hard to master.

Then practice losing farther, losing faster:
places, and names, and where it was you meant
to travel. None of these will bring disaster.

I lost my mother's watch. And look! my last, or
next-to-last, of three loved houses went.
The art of losing isn't hard to master.

I lost two cities, lovely ones. And, vaster,
some realms I owned, two rivers, a continent.
I miss them, but it wasn't a disaster.


--Even losing you (the joking voice, a gesture
I love) I shan't have lied.  It's evident
the art of losing's not too hard to master
though it may look like (Write it!) like disaster.