高齢者白人男性候補2人を覆す勢いを持つエリザベス・ウォーレン – アメリカ大統領選挙レポート

Screen Shot 2019-09-08 at 4.54.12 PM9月8日土曜日、大統領選のバトルグラウンドとして知られるニューハンプシャー州のマンチェスター市で州の民主党大会が行われ、19人の大統領候補がスピーチを行った。この大会で明らかになった民主党の現状を別のコラムに書いたが、指名候補争いについても転換の始まりを感じた。

大統領候補19人に加え、民主党全国大会委員長、ニューハンプシャー州選出の上院議員、その他の民主党議員など約40人が壇上に立つこの党大会は、午前7時会場で午後4時すぎまで続いた。いったん会場内に入ったら食事などで外に出ることは許されず、長期戦になる。候補にとってスピーチの順番は非常に重要だ。

ニューハンプシャー州の民主党首脳陣は、公平さを保つために、まず主要候補をアルファベット順で紹介することに決めたようだ。そして、その間に他のスピーカーを挟むという方法だ。だが、前回のコラムでも書いたように、世論調査でトップ10位に入っていない候補が最初のグループに含まれていて、世論調査でも支援者の数でもトップ10に入り、有力候補とみなされているアンドリュー・ヤングは大会最後のスピーカーだった。ヤングが壇上に立ったときには、大部分の出席者が会場を去っていた。

このような不備はあったものの、候補者全員に、支持者が路上や会場前でにぎやかにPRをし、会場内のブースで政策を説明する平等な機会が与えられていた。

この大会時点での全米の世論調査の平均支持率は、トップからジョー・バイデン(29%)、エリザベス・ウォーレン(17%)、バーニー・サンダース(15%)、カマラ・ハリス(7%)、ピート・ブーテジェッジ(5%)、アンドリュー・ヤング(3%)、コリー・ブッカー(2%)、ベト・オルーク(2%)、フリアン・カストロ(1%)、トゥルシー・ギャッバード(<1%)と、トップ3人が他を引き離しているかたちだった。

この世論調査からは、バイデンが圧倒的な人気を持っており、指名候補になるのが確実に思える。だが、現時点では全米の世論調査はあまり役に立たない。

どちらかというと、予備選が初期に行われるアイオワ、ニューハンプシャー、ネバダ、サウスカロライナ州での様相のほうが重要なのだ。予備選の初期の州で勝利すれば、「勝てる候補」としてまたたく間に全米にムーブメントが広まる。ゆえに、現時点で注目するべきなのは、これらの州での有権者の反応である。

ニューハンプシャー州民主党大会で、候補がスピーチを始める前に多くの人からランダムに話を聞いてみた。

驚くことに、早期にバイデン支持を表明した消防士の労働組合のメンバー以外には、バイデンを強く支援する者にはひとりも出会わなかった。多くの人は、「いい人だけれどね……」という前置きの後で、「高齢すぎる」とか「情熱が感じられない」などといった迷いを口にする。現時点でバイデンを選択肢のトップに挙げている人も「トランプに勝てる」という理由であり、他にトランプに勝てる可能性がある候補が現れたら乗り換えるつもりのようだ。

また、彼に好意を抱いているのはオバマ大統領の元で副大統領を努めていたバイデンをよく覚えている世代であり、20代の若者にとってバイデンは「人種差別や女性差別の過去がある古い世代の人」という印象のようだ。

むしろ、多くの人は「好きな候補は沢山いるが、まだ誰に票を投じるかは決めていない」と答えた。彼らが支持する複数の候補を挙げるときによく含まれているのがピート・ブーテジェッジだった。だが、彼を第一選択に挙げる人は少なかった。そのような状況のなかで、「私はこの候補のみを応援する」と強い決意を口にしたのが、エリザベス・ウォーレンとアンドリュー・ヤングの支持者だった。

また、3年前にあれほど情熱的だったバーニー・サンダース支持の若者たちはすっかり姿を消し、サンダースのTシャツを着て歩いているのは、ほとんどがヒッピー世代の高齢者だった。「2016年にサンダース支持だった」という若者にも数人出会ったが、それぞれが、現時点ではウォーレン、ヤング、カストロといった別の候補の支持に移っていた。

前回の予備選ではサンダース支持、本戦ではヒラリー・クリントンに票を投じたという女子大生は、今回はウォーレンを支持している。今回サンダースを支持しない理由を尋ねたところ、「サンダースは前回とまだ同じことを語っている。また、彼と彼のキャンペーンは怒りが強い。ウォーレンは政策的には似ているが、前向きであり、候補にも温かみがある」というものだった。

ウォーレンの陣営でボランティアをしている女性は、「ウォーレン以外ありえない。ウォーレンのみ」と断言した。

「ウォーレンしかありえない」と強く語った、ウォーレングッズに身を包んだボランティアの女性

こういった支持者の態度を最も鮮やかに示したのが、候補がステージに上がったときの聴衆の歓迎だ。

主要候補のビデオを撮影したので、実際に自分でそれを比較してみてほしい。

(ビデオは登場順)

ジョー・バイデン

ピート・ブーテジェッジ

カマラ・ハリス

バーニー・サンダース

エリザベス・ウォーレン

アンドリュー・ヤング

バイデンが登場したときの、礼儀正しいが生ぬるい反応と、サンダースが登場したときに聞こえてきたブーイングに比べ、ウォーレンの場合には、彼女が登場する前から聴衆が名前を連呼して盛り上がっていた。そして、登場後もなかなか拍手が収まらず、ウォーレンが感動して胸に手をあてて感謝する場面があった。

この大会の直後に発表されたABC/ワシントン・ポストの世論調査では、バイデン(27%)、サンダース(19%)、ウォーレン(17%)だった。ここで注目すべきなのは、7月に行われた同じ世論調査と比較したとき、バイデンとサンダースがそれぞれ2%と4%減少していたのに対し、ウォーレンが6%増加していたことだ。ここにもウォーレンが上昇している勢いを感じる。

また、前回の大統領選では、若者の間ではサンダース支持が格好良いことであり、クリントン支持者は肩身が狭い思いをした。だが、私が話を聞いた若者たちによると、ニューハンプシャーや隣のマサチューセッツの大学生の間では、圧倒的にウォーレン支持者が多いのだと言う。ウォーレン陣営がテーマカラーとして選んだターコイズ・ブルーでオシャレをした若者たちが民主党大会の会場を練り歩く姿に、2016年のクリントンと現在のウォーレンの違いを強く感じた。

彼女たちが強く語ったのは、「40%がトランプを支持していても、それ以上が支持していても関係ない。すべては、人々が投票所に行くかどうかにかかっている。有権者が『投票するのが待ちきれない』と感じる候補であれば勝てる。安全重視で選んだら失敗することを前回の選挙が教えてくれたのではないか?」ということだ。

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