亀田誠治さんからの音楽へのラブレター 『カメダ式J-POP評論 ヒットの理由』

ツイッターなどのソーシャルメディアで嫌な思いをすることはよく話題になりますが、楽しく使っていると、思いがけない出会いもあります。
音楽プロデューサーの亀田誠治さんとの出会いもツイッターでした。

亀田さんのブログにありますように、初めてお会いしたのはボストンです。

そして、10月に私が日本に戻ったときに対談させていただきました。
その連載がケイクスで始まりましたので、ぜひお読みになってください。亀田さんのお話は、聞いているだけで元気が出てきます。全部をお伝えできないのが勿体ないくらいですが、連載は全部で5回。全部面白いことをお約束します。

そこでご紹介したいのは、日本に長く住んでいて浦島花子だった私が亀田さんの人柄を知るきっかけになった本、『カメダ式J-POP評論 ヒットの理由』です。

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クラウドで百万ドルの資金を集めたインディミュージシャン、アマンダ・パーマー

拙書「ゆるく、自由に、そして有意義に──ストレスフリー•ツイッター術 」にも登場するインディ系ロックミュージシャンのアマンダ・パーマーは、レーベルとの2年にもわたる争いの末2010年4月に独立しました。そのいきさつは(英語ですが)デイヴィッド・ミーアマン・スコットのブログ記事Web Ink Nowの記事にあります。

レーベルから離れて独立したアマンダは、Amanda Palmer & The Grand Theft Orchestraという自分のバンドを結成し、4年かけて作った新しいアルバムのプロモーションと音楽活動のために、Kickstarterというクラウドファンディングを利用して直接ファンから資金を集めることに決めたのです。当初の目標は30日間で100,000ドルを集めるというものでした(4月のWeb Ink Nowの記事はこちら)。

ピクチャ 10

ところが、昨日5月29日、その額がなんと1,000,000ドルを超えたのです。これはひとりのミュージシャンが単独で集めた最高金額だそうです。

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ロックスターの楽屋でつるむ…という若かりし頃の夢実現

ロックファンなら分かってくれると思いますが、「ロックスターの楽屋でつるむ」というのは、けっこう順位が高い「夢」なんですよね。

究極の夢はデヴィド・ボウイとの出会いで、彼の場合は楽屋ではなく小さなライブハウスで偶然出会うってのがファンタジーだったのですが、まあそれは別として…。

大の音楽ファンの夫には音楽業界関係者のファンも多く、そのなかには「お友達」の関係になった人もいます。LAに住むロックバンドのマネジャーをしているジョディはその1人で、「マネージメントをしているバンドがボストンでコンサートをするから会いたい」というメールが来ました。

そのバンドとは、The All-American Rejectsです。

AAR

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パナマ1日目

その他のパナマ報告はこちらをどうぞ。

パナマ2日目の朝です。

昨日午前1時過ぎに起床してボストンを早朝に発ち、午後パナマシティに到着しました。

なぜここに来ているのかは、また後ほどゆっくりとお話ししますが、 Earth Trainの共同創設者Nathan Gray氏のご招待で、この組織のことを学び、お手伝いできることを語り合うために来ています。

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好きなことをやり続ける人々

とんでもない24時間を過ごしたことを昨日報告しましたが、状態が落ち着き、退院できそうな雰囲気が出て来たときに病室で夫が受け取ったのが次のようなメールでした。

「明日のコンサートで会えるのをビルが楽しみにしているよ」

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Lollapalooza 2010、最終日報告!!!

Lollapaloozaを終えて、無事ボストンに戻って参りました。

戻るなり、山のような洗濯もの、台所の工事の手続き…と怒濤の忙しさだったので報告が遅れました。

約130のバンドが8つのステージで演奏するロックフェスティバルの大変さは、観たい/聴きたいバンドの演奏が重なること。しかも歩いて片道15分以上かかる両端のステージに分かれていると決まっています。どっちも見逃したくないので、結局中途半端にちょっと聴いて、もう一つのステージに移動、というパターンを繰り返しました。ただでさえ暑い屋外コンサートなのに、汗だくでした。ふう〜。

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Lollapalooza 2010!!!

 ロックフェスティバルのLollapaloozaのために、わざわざ家族でボストンからシカゴに来ています。

去年のフェスティバルのときに今年のチケットを購入したので、夫も私も今年こんなに忙しくなっているとは予想しなかったのです。でも、2人ともなんとか一番大変な部分をいったん終えてから来ることができました。

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かつて日本はロックンローラーにとって幸運のお守りみたいなものだった

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2004年ごろだと思うのですが、夫がエアロスミスを取材した関係でfriends & family席と呼ばれるステージ前の特等席でライブを観たことがあります。そのときの前座はなんとチープトリック。私はファンではありませんでしたが、青春時代に流行ったバンドですから懐かしさいっぱい。
しかし困ったのは私の席。リードボーカルのRobin Zanderが私の姿を見つけたとき、キラリと目が輝いたのです。それから何度もこちらに笑顔を送り込むので「まずいな…」と焦っていたら、"I Want You to Want Me"では完璧に私に視線を合わせちゃうのですよ。ファンは合唱してるけれども私は歌詞覚えてないもんねー。冷や汗たらたら….。これほど「ありがためいわく」だったことありません。

Zanderが私にこれだけのサービスをしてくれた理由は、アメリカではそこそこしか売れていなかったチープトリックをスーパースターにしたのが、私の年代の日本人ファンだったからです。1978年の「At Budokan
」は、どの音楽雑誌でも「Top 50 ライブアルバム」に入るクラシックになっています。

そういえば私が若かった頃は、ロッカーの間でTokyoとかJapanは幸運のお守りみたいなものでした。クィーンの場合もチープトリックのように日本が彼らを有名にしましたし、ディープ・パープルの最も優れたライブアルバムは日本ツアーを録音したLive in Japanです。当時のエキゾチックな女性はWoman from Tokyoと日本人女性…。「日本に行って成功し、謎の日本人女性と知り合って歌にしたい!」というのが世界のロッカーの夢だったなんて、すごいと思いませんか?

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Amazon.comの"The 100 Greatest Live Album of All Time"のリストを見ていて、そんなことを思い出しました。

昔のアルバムを聴きたくなるーIt Might Get Loud

「ジミー・ペイジとU2のジ・エッジ、ジャック・ホワイトの3人を同じ場所に集めたら面白いだろうなぁ」という発想は抱くのは簡単ですが、それを実現してしまったところがこのドキュメンタリーフィルムのすごいところです。


3人が引き受けた条件はスクリプトなしで自由にさせてもらうということ。その影響でフィルムにはちょっとまとまりのない感じがありますし、It Might Get Loudというタイトルから期待されるほどLoudにならないのが残念です。けれどもそんな欠点を差し引いても、見応えがあるフィルムでした。というのは、彼らのミュージシャンとしての素顔が透けて見えるからです。

この3人の年齢差はちょうど15才くらいなので、3つの異なる世代を象徴しているだけでなく、ミュージシャンとして人生のどの地点にあるかも異なります。34歳のホワイトはまだまだ毒も刺もありますが、65歳のペイジは悟りを開いた賢者の雰囲気が漂っています。48歳のジ・エッジはその中間でちょうど私の年代。尖ってもいないし枯れてもいない感じが素敵です。性格の差とギターのひきかたの差も感じます。

3人が会ってからの場面よりも、個々の音楽的な背景を語る部分が多く、それが不満な評論家もいるようですが、私は十分楽しみました。ヤードバーズやツェッペリン時代のフィルムなどは、懐かしさについため息が出ます。
ホワイトの天才的な音楽のセンスも印象的でしたが、やはり私はペイジにうっとり、でした。またツェッペリン聴きたくなりました。

残念ながら大きな映画館では上映しておらず、アートハウス専門です。

ボストン周辺では以下の2つの映画館のみです。

 Kendall Square Cinema
1 Kendall Square, Cambridge, MA – (617) 499-1996 – Map

West Newton Cinema
1296 Washington St, West Newton, MA – (617) 964-6060 – Map