とんでもない24時間を過ごしたことを昨日報告しましたが、状態が落ち着き、退院できそうな雰囲気が出て来たときに病室で夫が受け取ったのが次のようなメールでした。
「明日のコンサートで会えるのをビルが楽しみにしているよ」
このビルとは、グレイトフル・デッドのドラマーだったビル・クライツマンのことで、メールの送り主はステージマネジャーです。夫は、翻訳企画が進んでいる邦訳版が2011年9月1日発売予定の「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」という本を共著しており、その関係でクライツマンにも何度か会っています。クライツマンが初めて自分のバンドを結成したのが「7 Walkers」で、そのコンサートに翌日家族全員で行く事になっていたのでした。
「どうしよう?」と夫は考え込んでしまいました。
クライツマンのマネジャーが、私たちのために特等席テーブルを予約しておいてくれているのだそうです。
症状は収まっているし、今のところCTスキャンも超音波撮影もクリアです。問題は血液検査ですが、これには緊急性はないようです。
「明日のことは、明日になってから考えよう」と私は提案しました。寝ていないので頭が働かないというのも理由です。
そして沢山睡眠を取った翌日、体調は絶好調に快調したようです。そこで、1日中休憩するという条件で、夜でかけることにしました。
会場は、昔の倉庫を改造したアートスタジオです。
そして、私たちのテーブル席は、ステージの真ん前!これが私の席から観たステージです。
私の席からは、手を伸ばせばボーカル/ギターのパパマリ(Papa Mali)に触れる距離です。
さすがグレイトフル・デッドのファミリーバンドだけあって、飲食物持ち込み自由。みんなでっかいクーラーを持ち込んでいます。
でも、わが家は自宅から持ち込んだフィルターをかけたお水だけ。なんせ、あの24時間の後ですからね。
演奏は素晴らしく、何よりも、演奏中の笑顔からミュージシャンたちが楽しんでいるのが分かりました。セットリストをとっくに終えているのに、クライツマンがバンドのメンバーたちに、「次はあれをやろう」と呼びかけて、どんどん長くなってゆくのがわかります。ぶっ続けて2時間以上の演奏。こんな贅沢はめったにないことです。
「好きなことをやろう」というグレイトフル・デッドの信念が生きていたコンサートでした。