いま、多くの方に読んでいただきたい「心のケア」

東日本大震災では、直接被害を受けていない日本人も、少なからず精神的な影響を受けました。「何かをしたい」という気持ちと「何もできない」という罪悪感、そして、いぜんとして解決しない原子力発電所と放射能の問題に対する怒りが、多くの人々の心をささくれ立ったものにしています。

被災地に入り込んでボランティアをされた方々も多くいらっしゃいます。それらの方々の勇気と行動力には頭が下がる思いでしたが、被災によって心に傷を負った方々に接する心の準備ができている方は少ないのではないかと気になっていました。

ノンフィクション作家の最相葉月さんが、「兵庫県こころのケアセンター」の副所長の加藤寛氏と共著された「心のケア」が、それらに応える本だと思いましたので、ご紹介させていただきます。

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加藤寛氏は、阪神・淡路大震災以降、被災された方々のケアや調査研究に従事され、事件や事故、災害の犠牲になった方々のトラウマ治療やその支援者の方々への研究に携わってこられました。今年3月の東日本大震災のときも、兵庫県チームの司令塔として被災地に入って活動をされています。いま、「心のケア」について語っていただくのには、最も適した方ではないかと思います。

まず、「心のケア」ついてですが、ルポの中(210ページ)で最相さんはこう説明されています。

阪神を機によく使われるようになったこの言葉について、多くのメディアで情報が錯綜しているが、精神科医や心理士で構成される心のケアチームが災害直後に行うのは、被災者に被災体験を聞いてカウンセリングすることではない。

第一には、機能を失った病院から入院患者を転院させること、通院できなくなった患者の薬を確保すること。つまり精神科医療の補完常務である。その後、時間の経過とともにニーズは変化し、避難所生活で顕在化していた問題、たとえば不眠や不安、アルコール依存のほか、一部の精神疾患や発達障害が顕在化すれば臨機応変に対応していくことになる。

けれども、本書を読むと、「心のケア」がそれだけの言葉では説明しきれない、広範囲で、深く、しかも、多様性や柔軟性があるものだと気づかされます。分かったつもりでいて、分かっていなかったこと、想像できるつもりで、できなかったことが、こんなにも多いとは!ボランティアにかけつける人だけではなく、遠く離れた場所で「素人評論家」になっている人にも、きっと沢山の学びがあるはずです。

本書の内容

第1章 東日本大震災後五十日の記録

タイトルどおり、震災後に現地入りした加藤氏の体験である。

ここで特に心に残ったのが、「町の職員」の大変さである。被災者でありながら、支援する側にまわらねばならず、しかも、行き場のない怒りを向けられる対象になる。日本の地域保健システムは素晴らしいが、それが震災で崩壊してしまったいま、最も大切なのは地域行政を立て直すことである。それをしないことには心のケアどころではないのだ。「外部支援者はいつか去っていく」だから「地元で補完できるシステム」を再建する手伝いをするのが大切だということだが、こんなことすら、外から眺めているだけの私たちには、ほとんど想像できない。

余談だが、元助産師/看護師としては、震災後には保健師と看護師の役割が非常に大きいということが、誇らしく思えた。

第2章 被災者の心の傷

この章では、メディアの報道からは見えてこない被災者の心の傷と、支援者がおかしやすいミスが分かってくる。「メディアを通じて伝えられてるものと、ぼくらが現場で接するものとの間には大きなギャップがあると感じています」と加藤氏が述べている詳しい内容は、ぜひ本書を読んでいただきたい。

この章は全部が重要な部分だが、ボランティアを考えている人は、とくに「大切な人を亡くした方にどう接するか」の部分に注意を払っていただきたい。「その人をそれ以上傷つけない」ということの重要さ、これは私も気をつけようと肝に銘じた。

第3章 阪神・淡路大震災でできたこと、できなかったこと

過去の成功と失敗を振り返って学ぶのは、非常に大切なことである。この部分にも、多くの学びがあった。ニーズはどんどん変わって行くので柔軟性が大切、という意見は、いずこにも言えることだろう。

第4章 回復への道のり

阪神・淡路大震災で肉親を失った2人の方の体験談は、涙なくしては読めないが、それだけでなく、心のトラウマとはどういうものなのか、周囲の人はいったい何ができるのか、を教えてくれる。

第5章 支援者へのメッセージ

支援者だけでなく、支援者に接する人、遠くにいて何もできない私のような人にも必読の章。ぜひ、ぜひ、お読みいただきたい。

巻末ルポ 1・17から3・11へ――兵庫県心のケアチームの百十一日(最相葉月)

これまでの章はインタビュー形式だが、巻末のルポは、その場にいるような臨場感で「心のケア」を考えさせてくれる。

ボランティアに出かけようと思っている方だけではなく、間接的に被災者や支援者に関わる方、遠くにいて「何もできない」と思っている方にも、ぜひ読んでいただきたい本です。

そこで、3名(日本にお住まいの方に限らせていただきます)に、本書「心のケア」を私からプレゼントしたいと思います。読んで「良かった」とお感じになったら、なるべく多くの方に読んでもらえるようにネットや口コミで広めてください。それが唯一の条件です。

希望する方は、コメント欄にその旨をご記入ください。締め切り日は10月1日です。本ページにて発表しますが、できればこちらから連絡できるような連絡先のリンクをお願いします。

締め切らせていただきました。これまでご応募いただいた方全員にお送りいたします。

4 thoughts on “いま、多くの方に読んでいただきたい「心のケア」

  1. こんにちは。
    いつもツイート読ませていただいているritz_saitoと申します。
    震災後いろいろ考えさせらることも多いので、ぜひ読みたいです。
    よろしくお願いします。

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  2. こんにちは。私は@loveandpearlと申します。幼い頃に家族
    を亡くした私にとって、心のケアは生涯のテーマです。読ませて頂けると嬉しいです。宜しくお願い致します。

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  3. masaさま、ritzさま、Loveandpearlさま、ご応募ありがとうございます。
    アマゾンから直接お送りしますので、本ページ左上の「アバウト」の下にある「メールを送信」で、送付先のご住所と氏名(アマゾンからは電話番号も必要なようです)をお知らせください。もちろん情報は部外には公表いたしません。

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