失敗する人生のほうが素晴らしいと教えてくれるエッセイ『宇宙を目指して海を渡る』

今年(2014年)5月、パサディナで開催されたSpaceFestで、とある企画のためにアポロ11号のバズ・オルドリン氏と話し合う機会がありました。

パサディナには、NASAのジェット推進研究所(JPL)があります。この機会に、MIT(マサチューセッツ工科大学)で航空宇宙工学科の修士号と博士号を取得してJPLに就職した小野雅裕さんにお会いしました。小野さんのことは、MIT時代の友人たちから聞いていたのですが、これまでツイッターやFacebookで交流するだけで実際にお会いするのはこのときが初めてでした。

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MIT Press(マサチューセッツ工科大学出版)からMarketing the Moonを刊行したばかりの夫は、アポロ宇宙飛行士とも交流があるアポロおたくです。そこで、小野さんと一緒にブースにいる宇宙飛行士たちを訪問したりして楽しみました。

このときにいただいた小野さんのご著書『宇宙を目指して海を渡る』を、ようやく読ませていただいたのですが、面白くて一気に読みきってしまいました。


表紙や帯には「MIT」、「NASA」、「本物の理系エリート」といった目をひくキーワードが並んでいますが、内容はもっと率直で実直な(だからこそ胸にひびく)若者の体験記と人生観です。

著者は、「グローバル人材」が現在流行っているからこそ本を書く機会に恵まれたことをわきまえたうえで、「グローバル人材」という言葉の胡散臭さを批判しています。また、日本で知名度が高いMITやNASAにしても、子どもの頃の夢を果たすために選んだものであり、決して「エリート」というキーワードで選んだのではないことがわかります。

私が特に好きだったのが、第三章の「僕はいかにしてMITで自信を失い、再び取り戻したか」です。
日本ではずっと優秀な人物として自信満々でやってきた著者が、MITで徹底的に自信を失い、それでもくじけずに「レンガをひとつずつ積み上げてゆくようにして」自信を新たに積み上げていった部分を、ぜひこれから大学や就職を迎える若者に読んでいただきたいと思いました。

海外に行くのが必ずしも良いことではないし、その人によって異なるという著者の意見には、私も賛成です。でも、外に出かけていくことで、これまで見えなかったことが見えるようになったり、人生が豊かになることはあると思います。

表紙や帯のキーワードに迷わされず、理系でない人も、エリートと自覚していない人も、海外留学を考えていない人も、ぜひ読んでみてください。

 

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