日本の未来のためのひとつの「お願い」

今回の震災に関して、政府や東電の対応が完璧だったとは思っていません。けれども、「非難」ではなく現状を冷静に分析して、未来のための「提案」をしたいというのが私の考え方です。それについては以前のブログ記事でも書きました。

日本がより良い国になるために改善していただきたいことのひとつが、「自前主義」をやめて、もっと「外部の知見」を使っていただくということです。


震災直後、米国からの援助に対し、日本政府、東電、日赤などが「自分たちでなんとかするから、けっこうです」と援助を拒否したというニュースが伝わりました。報道番組で「日本人の忍耐強さ、回復力の強さは、驚くべき長所であるけれど、それが短所でもある」という分析も何度か耳にしました。

そんなときに、 知人のツイートを介して、フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長の田中 慎一氏のこんなツイートを見ました。

ピクチャ 3
これは「非難」ではなく、強く新しい日本が復興するための、重要な「提案」だと思います。

これからの日本について私はとても大きな希望を抱いているのですが、「自前主義」をなくすためにも、「透明性」を進めるためにも、政府や大企業の方々にお願いがあります。

それは、日本のエリート大学出身者だけでなく、海外の大学で学んだ人(政府や企業の出資で大学院に留学するケースではなく)を大量に採用していただくことです。特に、「ハーバード大学」以外の大学(大学院は別の話)で学んだ方を。

ハーバード大学を否定するわけではありませんが、まず「ハーバードが一番だから(とみんなが思っているから)」という理由で選んだ人が集まるのが困るところです。「ハーバード」というブランドを重んじるアジア人は多く、幼い頃から親に「ハーバードでないとダメだ…」と言われて育った子を山ほど知っています。そういう人が集まると、価値観の多様性がなくなりますそこを問題視しているのです。価値観が似通った人びとばかりを採用すると、その場には異なる発想が生まれにくく、また生まれても、それをマジョリティに潰されてしまいがちです。

アメリカ合衆国でもブランドを重んじる傾向はあり、エリート大学(特にアイビーリーグ)には、書類審査で立派に見えるような生活をわざと送って来た子(また、そのゲームが上手な子)が集まりがちです。また、裕福な親がその経路を買う傾向もあります。書類選考の米国でも大学受験戦争の弊害は山ほどあります。このゲームに勝った子が本当に優秀なのかどうかには疑問の余地があります。

また、大学のランキングで人の本当の優秀さを計るのは無理です。ランキングでは「試験でよい点を取る能力」「力がある大人に気に入られる能力」が重視されてしまいますが、実社会では、臨機応変に対応できる能力、創造力、部下の才能を活かすリーダーシップ、人と仲良くなる能力、外交力、といった多様な能力が必要になるからです。

例えば、ビル・クリントンが卒業したジョージタウン大学は、ワシントンDCにあるだけでなく、政治に関心がある学生が集まっているために4年間で非常に中身の濃い政治学と国際学の体験をすることになります。 ボストン郊外にあるタフツ大学は外交学で有名です。ヒラリー・クリントンが卒業したウェルズリー大学もリーダーシップがある女性が沢山集まっています。テキサス人にとっては、地元のライスやテキサス大学のほうが尊敬されているようですし、西海岸ではスタンフォード大やカリフォルニア大学各校、カリフォルニア工科大学のほうが好まれます(ボストンからカリフォルニアに越した友人もそう言います)。

日本にお住まいの方が、米国の大学ランキングを持ち出してこれらの大学のことを「たいしたレベルではない」と書いているのをネットでみかけましたが、とんでもありません。まず、入りにくいことだけで大学を評価するのであれば、米国で一番難関なのはジュリアード音楽院です。次に、ハーバード大学には合格しても、スタンフォードやカリフォルニア大学、カリフォルニア工科大学などから落とされるケースはけっこうあるのです。また、スポーツができるためにアイビーリーグ大学に入った子に比べると、そういう特殊能力なしに別の大学に入った子のほうが高校での成績はずっと上です。何より重要なのは、「ハーバードを最初から選ばない子もいる」ということ。そして、これらの子どもが別の価値観で大学を選んでいる、ということです。

大学のランキングのみで人の才能を評価する人や組織は、その時点でどこか「改善すべき問題がある」と私は思うのです。

私が「日本のエリート大学やハーバード大学以外(繰り返しますが、大学院は別の話です)の海外の大学出身者(卒業しなくても体験だけでもよい)」を採用して欲しいと願うのは、集団に多様な視点を取り入れていただくためです。集団内にいろいろな価値観があると、「一般通念への挑戦」が生まれます。 透明性を求める声に応えようとする勇気ある意見も出やすくなり、「外部の知見を使う」という発想が出やすくなります。

アメリカの高校や大学に行った日本人のお子さんたちには2つの世界の長所と短所を理解している人が多く、頼もしさを感じます。他国で学んだ生徒は直接知りませんが、きっと同じことが言えるでしょう。

こういうことを書いていたら、小飼弾さん(@dankogai)の次のツイートを目にしました。

ピクチャ 4

まさにそのとおりだな、と。

これからの日本を強くするためにも、ぜひ「ランキング主義」を捨て、多くの価値観を取り入れて行っていただきたいと思います。

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One thought on “日本の未来のためのひとつの「お願い」

  1. 仰る通りです。生活のため宅配業に従事していますが、現場や上層部からの指示に閉塞感を感じます。同じことの繰り返しばかりで、前に進まないのです。組織ですから、様々なことがあるのは理解しますが観点を変えなければならないときにできないもどかしさがあります。アメリカでの生活から学んだことは、外にいかなければ発想の転換は、用意ではないとおもいます。

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