佐々木俊尚氏の『レイヤー化する世界』を活用する提案

ジャーナリストで作家の佐々木俊尚さんは、 ツイッターでも@sasakitoshinaoアカウントで、興味深い情報をキュレートして提供されている。

その佐々木さんが、新刊『レイヤー化する世界』で、古代から現在までの全世界での社会システムの変遷を説明し、最後に近未来を予測されている。

 


第一部と第二部の中世と近代の世界のシステムの「おさらい」は、現在の世界を理解するために必要不可欠な部分である。非常に簡潔に書かれているので、世界史に詳しい人は「単純化されすぎている」と批判するかもしれないが、高校や大学時代の自分を振り返ると、大部分の人にとっては「適切なわかりやすさ」ではないかと思う。

受験を念頭に置いた学校の社会科ではディテールを記憶することが重要なので、世界の構造を俯瞰する機会がほとんどない。このようにざっくりとまとめてもらうことで、詳しい本を読むときに、そのパズルがどこに当てはまるのか分かりやすくなる。

読んでいるうちに思ったことは多いが、最も強く感じたのは、「こういう本こそ、高校の社会科の授業で使うべきだ」ということだ。

まず、高校の社会科で扱う「地理、歴史、公民」がすべて盛り込まれているだけでなく、それらがどのように関わりあっているのかが分かりやすい。

次に、「未来」を語っている部分で、他人事だった「社会科」が突然自分自身の問題になる。

高校生に『レイヤー化する世界』を読ませ、その中に書かれていることを文献を使って検証させ、「私ならこのような未来を予測する」という結論を導き出してエッセイを書かせ、クラスでプレゼンテーションさせてはどうか?

実際にアメリカの高校ではやっていることだから、日本の高校生にできないことはない。

問題は、それを採点しなければならない教師の負担と、受験勉強のために時間がないことであろう。

だが、これからの世界が佐々木さんの予測のように「レイヤー化」してゆくとしたら、その世界での「場」の権力と共犯し、生き延びてゆけるのは受験勉強に勝ち抜いたものではなく、過去を理解し、現在を把握し、未来を予測するために頭を使う者である。

学校がやってくれないのであれば、家庭で親子のディスカッションに使ってみるのも案である。

また、本書に反論するときにも、佐々木さんが末尾に挙げている参考文献や、その他の文献、新聞記事などを使って論理的にやってみてほしい。なんといっても、自分やお子さんの学びになることだから。

 

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