簡単なハウツーを学ぶためではなく、自分で質問と答えを考えるためのビジネス本『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』

安西洋之氏は、日本の自動車メーカー勤務から国際的なビジネスプランナーとして独立し、現在イタリア ミラノに在住されている。私は数年前からソーシャルメディアで交流してきたが、一昨年ミラノを訪問し、ようやくお会いすることができた。

そのとき、世界各国の文化の違いなどを語り合い、それからもソーシャルメディアを活用して意見や情報を交換してきた。ヨーロッパ在住の安西さんの視点は、アメリカ在住の私の視点と似ていることもあれば、非常に異なることがある。それが興味深く、とても学びになる。

安西さんの新刊『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』には、ふだん私が安西さんの話から「なるほど!」と学ぶ事例がいくつも紹介されていて、読み応えがあった。

 

 


事例の中には、私が個人的に知っている経営者も何人か登場し、「まったくその通り!」と何度も頷いた。特に重要なメッセージは、元気が良い中小企業の経営者が社員を尊敬していることだと思った。伸びている中小企業・ベンチャー企業は、ひとりひとりの社員が規定の範囲以上の仕事をしている。それは、仕事に情熱ややりがいを感じているからであり、その「企業カルチャー」を創り出しているのは、経営者なのである。偶然の出来事ではない。

また、「コンテンツこそローカルに依存」という安西氏の意見も、ふだん私が日本の企業にアドバイスしていることなので、大いに同感した。

沢山の叡智が詰まっているが、この本はマニュアルではないし、ハウツー本でもない。「では、わが社は(自分は)何をするべきなのか?」と考えるきっかけにするために読む本であろう。できれば安西氏が言及されているように美術館を訪問したり、私が普段お薦めしているように多くのジャンルの本を読んで視野を広げてみていただきたいと思うのである。

 

 

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