今年わが家の増改築をすることになりました。
日本では「リフォーム会社」に依頼して希望を伝え、詳細にはあまり関わらないのが一般的だと思います。けれども、アメリカ合衆国では依頼人(家の持ち主)が相当関わらなければなりません。また、どれほど関わるのかもケースバイケースです。
私にとっても初めての経験なので、何もかもが新鮮です。せっかくの貴重な体験なので、ブログでその経過をご報告していこうと思います。
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アメリカでは「リフォーム会社」といったものはなく、小規模な改築であればgeneral contractorと呼ばれる建設業者(あるいは建設のまとめ役になる大工さん)を雇うだけで済みます。まとめ役のGCが改築に必要な配管工や電気技師などを手配するので、依頼人が対応するのはGCのみです。
けれども大規模な増改築の場合には、新築を建てる以上にデザインが重要になるので、まずarchitect(建築士)に仕事を依頼します。
建築士に設計図を書いてもらい、それから建築業者を別に雇い、建築業者から町に建築許可の申請を出してもらい、許可が降りたら工事スタートです。
こう書いてしまうと簡単そうですが、工事がスタートする前のプロセスはとても重要なので、時間がかかります。
それどころか、建築士を雇う前にやるべきことがあるのです。
建築士を雇うときも、いくつかの候補を面接し、自分たちに一番あった人に決めるべきです。
でも、その前に次のようなことを自分たちの間で明らかにしておかないと、面接のときに適切な質問ができません。
●何のために増改築するのか?
今のままでは狭すぎるから? 内装が古ぼけてきたので新しくしたいから? ホームオフィスが欲しいから?
●改築するほうがいいのか、それとも別の家を買って引っ越したほうがいいのか?
上記のことを解決するためには、新しい家を買ったほうが簡単で安い場合もある。
時間と労力をかけてでも改築するほうがいい理由とは?
●家族それぞれが新しい家に求めるものと、そのプライオリティ(重要度)。
家族それぞれが求めるもの、重要視するものは異なるので、それぞれに箇条書きする。
予算があるからすべての要求が叶うとは限らないので、「これだけは絶対欲しい」という重要度を決める。
●コストと規模
予算を決める。
たいていの計画は予算をオーバーするので、余裕を持って払える低めに設定する。
●全体のデザインコンセプト
歴史的な建築コンセプトをそのまま保存する、デザインよりも機能性を重視する……など出来上がったときのクリアなビジョンを持っておく。
建築雑誌などを読み、自分たちのビジョンに近いものを見つけたら切り取って保存しておく。
次回は、私たち夫婦の「デザインコンセプト」でのバトルについてお話しましょう。