The Grateful Deadのコンサートに行きます

the Grateful Dead の生き残りメンバー( Bob Weir, Phil Lesh, Mickey Hart, Bill Kreutzmann )が集まって再びコンサートをしています。Deadファンのオバマ大統領のおかげです

ボストンでは、土曜と日曜。わが家も一家揃って出かけます。ジョン・ケリーもDeadファンとして知られていますし、コンサートでどんな人の顔をみかけるか楽しみです。

High School Jazz Festivalの結果

昨日の高校ジャズフェスティバルの結果です。

Lexington High SchoolのJazz Ensembleは、クラスⅠで残念ながら第2位という成績に終わってしまいましたが、Jazz ComboはクラスSAで第1位でした。第2位で落胆のため息が漏れたのはレキシントン高校だけだったということで、1位が普通になっている立場ってつらいものなんだろうな、と同情しました。去年はサキソフォン奏者がグラミーのユースバンドに選ばれ、そこに出席しなければならないためにEnsembleそのものが棄権することになり、代りのサキソフォンを急遽採用しなければならなくなったComboのほうは2位に終わるという残念な結果だったので、今年こそは両方とも1位になりたかったようですね。10月に練習を始めたときのレベルは素人の私でも不安なものでしたが、短期間にめざましい上達を遂げていました。音楽ディレクターの才能をひしひしと感じます。

今年もベース奏者がグラミーのユースバンドに選ばれて欠席だったのですが、こちらのほうは代わりのベースもすばらしい奏者でそれは影響を与えなかったようです。キーボード奏者のスティーブン君は、審判賞を2つ、本フェスティバルで最も優れた賞も含め全部で4つのトロフィーを得るというすごい成果でした。

高校生バンドも素敵でしたが、観客に人気抜群だったのがBerklee 音楽大学のP-Funk。

Pfunk

サキソフォンとトランペット、シンガーの一人は日本人の方ではないかと思うのですが、いかがでしょう?とっても素敵でしたよ。高校生たちにも「あれが一番良かった」と大人気でした。

第41回バークレー音楽大学高校ジャズフェスティバル

アメリカで最も古く、最大の規模の高校ジャズフェスティバルといえばバークレー音楽大学(Berklee college of Music)のHigh School Jazz Festival。今週土曜日に開催される。チケットはタダ。

第41回の今年は参加バンド200、参加者3000人という規模。これらが奨学金をかけて競うのだが、競争よりもジャムセッションなどに参加することで高校生には相当な勉強の機会になる。今年は水泳からJazzに方向転換したわが娘もLexington High School Jazz Ensembleの一員として参加する。こういうとき、Boston近郊に住んでいることの幸運さを実感する。日本には優れた高校生ミュージシャンが沢山いると思うのだが、こんなに気楽にジャズフェスティバルに参加することはなかなか出来ないだろう。

残念ながら娘が担当するトロンボーンセクションが唯一の弱点らしく、これまでコンペティションで優秀な成績を残しているLHSジャズアンサンブルとしては結果が不安なところ。親としては、何でも楽しくやってくれていればそれでよいのだが、奨学金を必要とする高校のプログラムとしてはそんな甘いことばかりも言っていられないのだろう。

いろんなジャンルを楽しむ

興味がわくと、しばらくそれしか考えられないのに、ふとある朝目覚めるとその熱中が消えている、というのが私の根本的な性格のようです。それが音楽であれ、本であれ、実在の人物であれ、熱中しているときは良いのですが、さめたときの感じは嫌なものです。
ほんとうに、若い頃にはすべてにおいてその傾向が激しかったのですが、このごろは、歳を取ったせいか、いろんなジャンルに同時に楽しめるようになってきました。
このごろは家族全員が競争でコンサート情報を得てくるので、睡眠不足になるほどコンサート通いしています。
最近行って楽しんだコンサートの(ほんの)数例です。

カウント・ベイシー オーケストラ – Count Basie Orchestra
  そうです。彼が亡くなった後もバンドは生き残っているのです。もちろん、彼が選んだミュージシャンはほとんどいなくなってしまいましたが、クラシックなスウィングを身近で聴くのは最高です。観客はほとんどが70歳以上でした。
Basie

ザ・ニュー・ポルノグラファーズ – The New Pornographers
ちょっと怪しげな名前のバンドですが、決して怪しい音楽ではありません。
別のバンド、あるいはソロで活躍しているミュージシャンが集まってちょっと変わった趣向を試みているものです。
New_pornographers

ライアン・アダムス – Ryan Adams
 夫が「ライアン・アダムスのコンサートに行く?」と尋ねたとき、バスルームにいた私は「ブライアン・アダムス」と聞き違えて『そんな趣味があったとは知らなかった』と思いつつ「いいよ」と答えたのですが、実はまったく違うミュージシャンでした。
何の先入観もなく行ったコンサートで彼のパワフルなパフォーマンスにびっくり。ジャンルも、カントリー・ロックにとどまらない幅広いもので、実に満足しました。
Ryan_adams

音楽と若者の心境ー裏切りと不信感Breaking Benjamin

私がこの年になってもロックが好きなのは、彼らの多くが音楽を本当に愛していて、それ以外に生きる方法を知らない不器用な人たちだからだと思います。
特に、ライブに行くとバンドの善し悪しがすぐにわかります。
ライブで期待を絶対に裏切らないのが、このBreaking Benjamin (ブレイキング・ベンジャミン)です。。この数年はThree Days Graceと一緒にツアーをしています。どちらも、非常にライブでの演奏がすばらしいバンドです。特に、ボーカルのBen Burnley(写真はバンドの公式サイトより)の声は、ライブでも録音のものとほとんど変わらない質とボリュームです。もっとも最近行ったライブでは健康状態が芳しくなかったようで、私が好きなBlow Me AwayDance With The Devil を歌わなかったのが残念でしたが。

Knox10 Breaking Benjaminは、ボーカルとギタリストのベンジャミン・バーンレイが率いるフィラデルフィア出身のバンドです。バンドの名前は、ベンがあるギグでマイクを落として壊し(ブレイキング)、オーナーに怒鳴られたことから来ています。すべての曲はベンが作詞作曲したもので、Nirvana, Toolなどの影響を受けているということですが、それらよりもドラマチックな展開の”格好の良い”曲が多く、ビデオゲームやトランスフォーマーのBGMにぴったりです。
とはいえ、決して馬鹿にしているわけではありません。
最新アルバムの「フォビア」はどれをシングルカットしても良いような、完成度の高いものばかりです。
恋人だけでなく、友人との人間関係での裏切りとそれに対する怒り、憎しみを表現したものが多く、それもファンに「その気持ちがよくわかる」という近親感を与えるようです。「Had Enough」の以下の詩
は、バンドを一緒に作り後に決別したドラマーのジェレミー・ハメルがバンド仲間を訴訟した事件に対する直接的な返答だと言われています。
You had to have it all, well have you had enough ?
You greedy little bastard, you will get what you deserve
When all is said and done, I will be the one
To leave you in your misery and hate what you’ve become
(おまえは、全部自分のものにしなければ気がすまなかったんだろう。それで、満足したか?欲張りのろくでなし。おまえに起こることは自業自得だ。おまえが言いたいことを言い、やりたいように振る舞った後で、惨めな有様になった自分を恨むおまえを残して去るのは俺のほうなのだ)

最も一般に知られているのは、バンドを有名にした「So Cold」最近のヒット曲「Diary of Jane」ですが、コンサートに行きなれているファンにとっては壊れた関係をテーマにした「Breath」のほうが親しみがあるかもしれません。

典型的なコンサートでは、マッシュピットで必ずもみ合いに近いダンスがありますから、怪我をしたくない人は避けた方が賢明です。また、コンサートに行くチャンスがあれば、ぜひいくつか歌詞を覚えてゆきましょう。「Breath」など、観客が一緒に歌うことを期待されるからです.

若者と音楽ー自殺その2 ”You’re Not Alone”ーSaosin

自殺をテーマにしたロックの曲は沢山あり、それが若者の自殺を助長しているのではないかという説もありました(専門家による研究では否定されているようです)。
けれども、以前ご紹介したThree Days GraceのNever Too Lateのように自殺をやめるよう呼びかける曲も多々あります。「君はひとりぼっちじゃない。そこから抜け出すことができる」と歌う、Saosin(サオシン)の"You’re Not Alone"もそのひとつです。
日本であまり知られていないだけでなく、アメリカ合衆国でもマイナーなバンドですが、このところラジオでこの曲がよくかかるようになってきました。
(翻訳を載せて差し上げたいところですが、著作権の侵害にあたる可能性があるので、控えさせていただいています)2007年のProjekt Revolutionに参加していますが、彼らはまだマイナーなので、メインのステージではなく、日中に行われる別ステージでの演奏でした(そこでもトリではないという扱い)。
日本受けしそうなメロディーですから、日本で成功する可能性はあるかもしれません。

HIMーフィンランドのメランコリックなメロディとメタルの融合


H.I.M. - The Funeral Of Hearts

H.I.M. – The Funeral Of Hearts


今日は日本ではあまり知られていないフィンランドのバンドをご紹介しましょう。
HIMの魅力は、まずはリードヴォーカルのVille Valo(ヴィレ・ヴァロ)のルックスとディープな声でしょう。(潔いくらい自己認識ができているナルシズムとデッドパンなユーモアのセンスも重要な要素)。このキャラクターとフィンランド特有の物語性が強いメランコリックなメロディにブラック・サバスの影響を受けたメタルが融合した独特のロック(Villeは、ラブメタルと呼んでいます)が、いまだに日本で流行っていないのが不思議です。
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Ville Vallo (HIMの公式サイトMy Space

HIMは祖国フィンランドでは英雄扱いされていて、ドイツでの人気も異常に高いバンドですが、なぜかアメリカ合衆国ではさほど知名度が高くありません。
2007年にLinkin Park が率いるProjekt Revolutionに参加し、私もマサチューセッツ州のマンスフィールドに見に行きました。しかし、残念なことながら、Ville Valoのコンディションは最悪だったようで、肌のきめと色が悪く、不機嫌で、このライブでの印象は良くありませんでした。(私は一番前の中央で見ていましたから、そういう細かいところまでよく見えたのです)
歌っている最中もチェーンスモーキングを続けることでは知られていますが、そのためか声量が少ないように感じました。声がほとんど聞こえないのはミキシングのせいでもあったようで、Ville はステージの横を見て、マイクの音量を上げるように苛立ったジェスチャーを繰り返していました。ヨーロッパでのコンサートビデオなどを見るとジョークは言うし、笑顔を見せるし、観客と一体になるよいライブをするバンドらしいので、本当にがっかりしました。

ファンの娘に言わせると、「ヨーロッパでは、彼らのためにみんな集まるんだよ。フィンランドから熱いアメリカを何ヶ月もツアーして、しかも他のバンドのために集まったファンの前でたった40分だけ演奏するのは、誰だって嫌だよ」ということで、次はぜひ小さなホールで体験したいバンドです。
おすすめは、"The Funeral Of Hearts", "The Wings Of  a Butterfly", "Killing Loneliness"," Kiss of Dawn" などですが、私の個人的なナンバー1は、"Sleepwalking Past Hope"で、最近のロックには珍しく、10分の長い曲にはちょっとしたひねりがあってなかなかクラシックです。

若者と音楽ー自殺(”Never Too Late” – Three Days Grace)

 
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Three Days Grace のビデオはここで見ることができます。
"Never Too Late" のオフィシャルYouTubeはこちら。

自殺をテーマにした音楽は沢山ありますが、スリー・ディズ・グレイスの"Never Too Late"は、自殺したいと思っている者に「決して遅すぎない」と訴えるものです。
それに効果があるのかどうかは別として、聞く者に「そうだなあ」と思わせてくれる説得感がある曲です。
翻訳を載せて差し上げたいところですが、著作権の侵害にあたる可能性があるので、控えさせていただいています

カナダ出身のバンドThree Days Graceのリードヴォーカリストのアダム・ゴンティアは、麻薬系鎮痛剤オキシコンティンの依存症で2005年にトロントの解毒センターに入院していました。2枚目のアルバム”One-X”に収められた曲のほとんどは、このときに書かれたものだと言われています。
特に、"Never Too Late" と"Animal I Have Become"は、彼の実体験が反映したもので、"Animal I Have Become"の「誰か助けてくれ。これが本当の僕ではないと、誰か信じさせてくれ」という叫びは、実にリアルです。

アダム・ゴンティアは、後日バンドとともに自分を助けてくれたこのセンターを訪問してティーンエイジャーが中心の患者を相手に演奏しています。

”One-X”に収められた曲は、すべてシングルカットできそうな完成度の高いものばかりです。私は2度彼らのコンサートに行っていますが、コンサートの質が非常に高いバンドです。私にとっては、現時点でローリングストーンズ(ミック・ジャガーを目の前で見ましたが)よりもコンサートの満足度が高いバンドと言えます。
バンドの公式ウェブサイトはこちら

アメリカの若者の心境ーSomewhere I Belong by Linkin Park

私は、高校生のころ、同級生の多くが日本の歌謡曲を聴いているなかで、英国のロックに浸っていました。ビートルズはもちろんですが、当時すでに過去のバンドです。同時代のミュージシャンでは、David Bowie, Pink Floyd, Deep Purple, T-Rex, Led Zeppelinなどに惹かれ、彼らの歌を理解したくて歌詞の邦訳を見ても、なんだか謎々のようで意味が不明です。そこで、自分で謎解きをしたくて辞書を引いたりしたものですが、やはり謎は深まるばかりでした。

英語圏で暮らすのは計15年近くになり、15歳の娘が好きなバンドのコンサートにもつきあい、ようやく歌詞が自然に理解できるようになりました。というか、英語の歌詞のほうが、実感を抱けるようになってしまったのは、アメリカ人の若者と語る機会のほうが多いので、この社会の若者の心境のほうが理解しやすくなってきているからかもしれません。
(翻訳を載せて差し上げたいところですが、著作権の侵害にあたる可能性があるので、控えさせていただいています)どうしても邦訳を知りたい、という方はメールでご連絡ください。全員にお返事するという約束はできませんが、昔の私のような若者であればご協力できるかもしれません。

最初にご紹介したいのは、Linkin Park (リンキン・パーク)の「Somewhere I Belong」です。Linkin Parkはカリフォルニア出身のロックバンドで、ニュー・メタル、オルタナティブなどいろいろなジャンルとして紹介されていますが、本人たちはそういうレッテルを貼られることは嫌なようです。何でもやりたいことをトライしてゆくでしょうから、ただのロックで良いのではないかと思います。「Somewhere I Belong」は、2003年にリリースされたアルバム「Meteora(メテオラ)」に収録されています。コンサートでは、観衆がバンドと一緒になって歌う曲のひとつです。

周囲からのプレッシャーで自分を見失い、反抗し、そんな自分が嫌いで、自分を受け入れたいし、癒されたい、自分をありのまま受け入れてくれる居場所をみつけたい、そういう若者の心境をよく表現しています。特に男の子に人気があるのが良くわかります。

 

Linkin Park (リンキン・パーク)– Somewhere I Belong