律子ロビンソンさんとキャンディ・ミユキさんと、気仙沼市の縁

気仙沼市のアンカーコーヒーで偶然お会いした律子ロビンソンさんは、実は、すでに間接的に繋がっていた方だったのでした。

気仙沼市と「縁」について、律子さんの言葉をそのままご紹介させていただきます。

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小野寺家のお母様のご実家は、私の実家と隣でした。

やっちさん(こちらの記事をお読みください)のお母さま(通称:かよちゃん)と私は10歳以上も離れていますが、幼少の頃はとてもお世話になりました。
今回の帰省で初めてかよちゃんご家族(旦那様とやっちさんのお姉様とやっちさんのお嫁さん)とランチをして幼少の頃の話題で盛り上がりました。
(多分、かよちゃんと最後に会ったのは40年以上も前だったのではないでしょうか?)気仙沼には高校の時までしか住んでいなかったので。

ですから、やっちさんも紀子さんもお会いするのは今回が初めてでした。

20
年以上も前ですが、私がミネソタ州で経営していた旅行会社でアメリカ人の高校生(ミネソタの私立高校の日本語専攻の学生を対象)を気仙沼でホームスティさ
せるという企画をした事があります。3週間の日本の文化を学ぶ旅行のハイライトに選んだ場所が私の故郷でした。その時にお世話になったのがやっちさんのご
両親です。ホームスティの学生さんを引き受けて下さいました。そのご縁でやっちさんがミネソタ大学に留学するきっかけになったと聞いております。やっちさ
んがミネソタ大学に留学する頃は既に私はミネソタから東海岸へ引っ越ししておりましたので面識が無かったのです。(会社はそのまま運営しておりましたが)

アメリカ人の学生さんがホームスティしていた時期は引率の先生に添乗を任せておりましたので私は日本には行きませんでした。
私の実家経由で隣人、知り合い、多くの方にホームスティの学生さんを預かって頂き、お世話になりました。

やっちさんも紀子さんも私の事はお母さまのかよちゃんよりお話を聞いていたようで良くご存知のようでした。

2011
年の震災で私の実家も全壊し、隣のやっちさんの大叔母さまも家ごと流されました。私の大好きな叔母さまでした。私の兄は最後の最後まで叔母さまの命を救いたくて側にいたようですが、断固として動こうとしなかったそうです。目の前に巨大な波が迫っているのに…。兄は仕方なく集落最後の一人を残して逃げるしかなかったそうです。(彼は消防団員として救命に当たっていました。)

震災後、私は家族や友人の事が心配で、体が震え憶える毎日を過ごしておりました。家族の身元もわからぬまま、何かしなければと! 

そんな時、
Facebookで気仙沼を愛する方達に出逢いました。そのメンバーとなった一人がやっちさんだったのです。(当時は6名〜7名で気仙沼市公式
Facebook英語版を発足)彼の方から、”りっちゃん?”と、呼ばれてネットでの再会に嬉しくなりました。お姉様の紀子さんとも面識も会話もした事が
無かったのですが、やっちさんを通じ、あっというまに親戚のような交流がスタートしました。

昨年の11月1日は私たち夫婦の気仙沼での最終日だったのです。どうしても一緒にお食事をしたいと紀子さんにおっしゃって頂き、お母さまのかよちゃんと何十年ぶりの再会を果たす事ができました。お食事をしながら話題は尽きなくて気持ちが高揚したまま、アンカーコーヒーへ向かい、くつろいでいたときに糸井さんご一行がいらっしゃったので本当に驚きました。

糸井氏は私の尊敬する素晴らしい方で、そして小池さんとは既にFBで繋がっておりました。(キャンディ美雪さんがずいぶん前にお世話になったという事は後で知りました。)そして由佳里さんにも。 
全てが神様が仕組んで下さったご縁なのですね。

キャンディ美雪さんは私のブログでは何度もご紹介しておりますが、10年以上前、フロリダ旅行中に立ち寄ったディズニーで子供達が一目惚れしたアーティス
トだったのです。彼女の素晴らしい芸術に三人の子供達はエプコット(日本館)を離れなくなりました。その時、断られるのを承知で3ヶ月後に控えた、私たちの住む町の『日本祭り』にご招待したいけど、予算が全くない事を伝えました。何度かメール交換をし、彼女のご好意で夢が叶う事になったのです。

5時間ノンストップで飴を作って下さったのです。

(飴の売り上げの半分を寄付に半分を材料費、宿泊/食事は我が家、交通費は当時、旅行会社として取引があったノースウエスト航空と私の会社が負担。)彼女のお陰でお祭りは大成功しました。 

4月にお祭りが大成功したのですが、5ヶ月後の9月にNYCでのテロ事件発生しました。そのあおりを受けて、ディズニーのエンターティナーが半分解雇され、キャンディさんも職を失いました。

私たち夫婦はあまりの悲しみに小学校全校生徒、そして町中に彼女の悲しみを訴え、嘆願書を作成し、ディズニー宛に手紙を出しました。

その数ヶ月後、美雪さんは復帰されたのです。

彼女は私たちの村人に感謝を伝えたくて3年後に私が企画した、小学生高学年で運営する『日本祭り』にボランティアで参加
して下さいました。

それがきっかけで今では家族ぐるみのおつきあいに発展しました。

2011年の8月には美雪さんのご希望で日本の復興の為に東北で飴を作りたいとお申し出がありました。その時に訪問先を気仙沼に希望して下さったのです。彼女は感謝の気持ちを込めて、私の故郷で恩返しをしたいとおっしゃってくださいました。

偶然、気仙沼市の『復活祭』と日程が重なり、企画、運営を担当した方に私がネットで連絡を取りながら美雪さんをご紹介させて頂き、イベントの一つに加えて頂きました。

4日間の滞在先は被災した家族が仮住まいしている被災宅、東京から一関までの新幹線の切符は東京在の私の姉がプレゼント。(美雪さんと娘さんの二人分)一関から気仙沼までは兄が送迎をしてくれました。4日間の滞在中も兄がびっしり美雪さん母娘を24時間、運転手として案内してくれました。兄は仕事を失くし、毎日、自力で瓦礫撤去作業と消防団員として夜の見回りなどをしていました。

美雪さんは気仙沼で4日間300本以上の飴を作って笑顔をふりまいて下さいました。

その活動が日本政府の目に留まり、シンガポールで開催されたイベントに親善大使として昨年の3月に飴細工を披露されました。そして4月にボストンのお祭りにもいらっしゃいました。

美雪さんが気仙沼市を訪問されたレポートをこちらでご紹介しています。

 

このような素晴らしい繋がりのあるキャンディ美雪(Candy Miyuki)さんは、こんな風におっしゃっています。

 

律子さんは、私のアメリカのお姉ちゃんで、本当にお世話になっております。
世の中、本当に狭いですねー。

私もブログで『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』を紹介させて頂いたら、30年前に、コステロのライブに一緒に行った、レコード屋のおにいちゃんからメールが来ました。デッドヘッズなので、たまたま検索で私のブログを見つけたそうです。今度、30年ぶりに会う事になっています。

 

ほんとうに、「縁」というのは不思議なものです。そして、ありがたいことです。

生きていることの意味は、こうして人と出会うことなのかもしれません。

明けましておめでとうございます

2012年は、皆様のおかげで、とても実り多き年でした。

 

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タークス&カイコス島で迎えた2012年大晦日のサンセット

 

2013年は、縁があって繋がった方々と手をつなぎ、私が得た幸運をコミュニティにお返しできるような仕事をしたいと思っています。

 

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ジョギング中に遭遇した光景。「あまのじゃく」の私の生き方を象徴しているかのよう。

 

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

アメリカでの宗教と教育の関係

日本では馴染みがないことですが、アメリカ全土では、パーカー氏や「アーティクル8」のようなグループが大きな政治力を持っています。彼らの多くは、聖書の教えに極端に忠実なキリスト教保守派であり、同性愛や同性結婚に強く反対しています。

アメリカの公立学校で問題になるもうひとつのテーマが「進化論」の扱いです。

たとえば、1925年にテネシー州デイトンで生物学の教師が進化論を教えて有罪になった「スコープス裁判」が有名ですが、公立学校の生物の授業での「創造論」と「進化論」の綱引きは、今でも続いているのです。

1999年に公立学校のカリキュラムから「進化論」を排除したカンザス州の教育理事会は全米からの嘲りの対象になり、翌年の選挙では宗教保守派が席を失って「進化論」が復活しました。しかし、2004年の選挙では州の「同性婚禁止法」と抱き合わせでキャンペーンをした宗教保守派が復活してふたたび教育理事会は保守派が過半数になり、今度は「Intelligent Design(インテリジェント・デザイン)」という造語を使って「創造論」を公立学校の生物学のカリキュラムに取り入れようと試みています(2004年現在の調査)。

ここで彼らが「神」という言葉を避けたのは、「米憲法修正第1条、国教条項」が公立学校で特定の宗教を教えることを禁じているのを承知しているからです。彼らは、「進化論」は証拠のない「説」に過ぎないので、「神」ではなく知的存在によって創造されたという「説」も生物学の授業で同列に扱うべきであると主張しているのです。

 

テキサス州オデッサ町の教育審議会(レキシントンでは教育委員会に相当する)は、「Bible study(聖書の学び)」を公立高校の選択科目にすることを2004年4月26日に全員一致で決定しました。MSNBCニュースによると、聖書クラスの支持者300人以上で満席になった審議会とその会場の外の雰囲気は、歌や祈りで「まるで教会の礼拝のよう」だったということです。

 

人間の起源に関する「進化論」と「創造論」の対立はよく知られているのですが、バランスのとれた宗教観を広めようとする「Religious Tolerance. Org」のサイトによると、もっと複雑なバラエティがあることがわかります。

その中で主要なものは次の通りです。

 

○創造科学

  保守的キリスト教者にもっとも人気があり、信念は次の二つに分かれる。

・新地球創造

人間を含む生命体と地球、宇宙のすべては神により過去一万年以内に創造されたという説。創造科学論者の大多数が信じている。

・旧地球創造

地質学や放射分析から地球は何千億年以上前に創造されたと信じるが、地球や宇宙を創造したのは神である。

○自然主義的進化論

私たち日本人に一番なじみの深い説。アメリカでは多くの人がこの説を信じる者は「無神論者」だと考えている。

○有神論的進化論

自然主義的進化論と同様のプロセスが起こったと信じているが、それらは神の意志によるものであり、神がコントロールしていると信じている。

 

それでは、ふつうのアメリカ人は何を信じているのでしょうか?

 

2001年のギャロップ世論調査「人類の起源と進歩についてあなたの見解にもっとも近い説明はどれですか?」の結果は以下のとおりです。

 

1)人類は現在よりも劣った状態から何十億年以上かけて進歩したが、神がその過程を導いた。(有神論的進化論)37%

2)人類は現在よりも劣った状態から何十億年以上かけて進歩したが、神はその過程には無関係である(自然主義的進化論)。12%

3)過去一万年以内に神が現在とほぼ同じ状態の人類を創造した(創造論-新地球創造)。45%

4)その他。意見なし。6%

 

ダイアモンド中学校では、科学ではなく6年生の社会「古代文明」の一部として「創造説」を学びます。でも、この授業では「創造説」は「創作」として扱われており、「創造神話」を書くプロジェクトでは、自由に物語を作りあげても非難されることはありません。

レキシントンの教育者やPTAの多くが日本のように「自然主義的進化論」があたりまえのように扱っているので表面化しないのですが、実はレキシントン町にも「インテリジェント・デザイン」を密かに推し進めようとする勢力あり、教育委員の候補を出して来ています。けれども、彼らは学校のボランティアなどでネットワークを築き上げていないため、今までのところ十分な支持者を集められないでいるようです。

 

*この文章は2004年に書かれたものであり、現在は状況が変化している可能性があります。

1日中太陽が昇らない12月のラップランド体験

忙しすぎて、なんと2ヶ月以上このブログを更新していなかったことになるんですね。いろいろ書きたいことはあるのですが、とりあえず12月の旅のご報告をいたします。

Glass-igloo

寒いのが大嫌いな私なのですが、ある方のツイートから上記のような場所があることを知り、夫に「ここに行きたい!」と冗談半分でメールしました。すると「Why not?」と返事が!あろうことかその日のうちに旅を決めちゃったのです。ガラスのイグルーは、Hotel Kakslauttanenというところにあります。

夫のスケジュールが完璧にオープンなのはクリスマス寸前だけですから、1日中太陽が昇らないトワイライトシーズンに、ラップランドに行くことになってしまいました。

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日本の主婦の悩み

現在「成功と幸福」というテーマで本を執筆中です。

そのなかで、日本人女性特有の葛藤と不幸せについて書いています。

働く女性も、専業主婦も、立場が違うだけで、悩みには共通点がある筈です。

それをどう改善してゆけば幸せになれるのか、そういったご提案をするためにも、みなさまの率直な体験をお聞かせいただきたいです。コメントにご自由にご記入ください。

このウェブページは、ブログ記事として公表していませんので、多くの方の目にはとまらないとは思いますが、ここにお書きいただくことは、本の中で引用させていただく可能性があります。そのときに都合の悪い方は、コメント内でそのようにお書きくださいませ。

また、じっくりと取材させていただきたい場合もありますので、できましたらツイッターアカウントなど、連絡先をお知らせくださいませ。

また、参考までにこちらのTogetterもどうぞ。

 

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海外留学について、ご意見、情報募集

近年日本から米国への留学生が減っているとのことです。娘の大学選びでいくつかの大学を訪問したときにも、中国や韓国からの留学生の多さと日本人の少なさを実感しました。

今回の震災の後に米国は日本にいろいろな貢献をしてくれましたが、それも日本が米国や米国人にとって大切な存在だからです。留学生が今後どんどん減って行くと、個人レベル(人脈)での絆が減ってゆくことが懸念されます。

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ご協力者リスト

本書を執筆するうえで取材にご協力くださいました次の方々に心から感謝いたします。文中で例文を引用させていただいた方にもお礼を申し上げます。(ご本人の希望に合わせ、本名、ユーザー名、通称の場合があります)。

 糸井重里さん(@shigesato_itoi)、田中宏和さん(@tanakahirokaz)、Chris Broganさん(@chrisbrogan)、Dan Schawbelさん(@DanSchawbel)、Rebecca Corliss さん (@repcor)、Dharmesh Shah さん(@dharmesh)、菅谷明子さん(@ AkikoSugaya)、浅田一憲さん(@asada0)、大原ケイさん(@Lingualina)、角モナ さん(@monasumi)、ゆうなパパさん(@ynpapa)、天野由華さん(@flyingLarus)、 Françoise Iwaki さん(@francoiseiwaki)、本橋ゆうこさん(@kuromog)、丸山高弘 さん(@maruyama3)、松本孝行さん(@outroad)、田邉将之さん(@masa5150)、@ lakersmania さん、@yoh 6 6 さん、@tt_p10 さん、@ATborderless さん、ピアレス ゆかりさん(@YukariP)、藤井あやさん(@ayafujii)、鴨澤眞夫さん(@kamosawa)、 伊藤由貴さん(@electricalPeach)、平原由美さん(@YHirahara)、久保勇二さん(@ Jv_forrestal)、神原弥奈子さん(@minako)、後藤隆昭さん(@ryu_)、マユ・マカ ラさん(@mayutini)、松下康之さん(@yasuyukima)、仲俣暁生さん(@solar1 64)、 小竹由美子さん、シャーリー仲村知子さん(@nekotanu)、筑紫心保さん、清水晶子 さん、林さかなさん、@_kaiji さん、@kohirooo さん、@poisonpill さん、@kum_i さ ん、@yomoyomo さん、@lililium さん、@yasumi_ さん、@yuki_takauchi さん、@ pine_No23さん、@saitou_dcさん、@erie_crocさん、@tuk3tuk3さん、@shihosfさん、

 

ツイッターを通して、あるいはツイッターを離れた場で、ツイッターとは何であるかを考えさせてくださった方々に、お礼を申し上げたいと思います。ツイッターという、誰もが対等に語り合えるSNSゆえに、あえて肩書きを省かせていただきました。

伊藤大地さん(@daichi)、Brian Halliganさん(@bhalligan)、いしたにまさきさん (@masakiishitani)、平田大治さん(@hirata)、小飼弾さん(@dankogai)、津田大介さ ん(@tsuda)、勝間和代さん(@kazuyo_k)、柳瀬博一さん(@yanabo)、竹内靖朗さん (@takeuch)、干場弓子さん(@hoshibay)、篠田真貴子さん(@hoshina_shinoda)、小池花恵さん(@hanahanahanauta)、岩崎清華さん(@SayakaIwasaki)、渡辺弘美さん(@ hiroyoshi)、Misako Yoke さん(@misakouroco)、高島利行さん(@takashimt)、細田満和子さん(@miwhosoda)、渡邊哲子さん(@SatokoWatanabe)、三浦真弓さん(@ mayumiura)、中村佐知さん(@mmesachi)、@TrinityNYC さん、@makiuk さん、リエさん(@ micanzou)、@tinouyeさん、@ayiganayさん、@spiceupmydayさん、@masakawazoeさん、 @y_yt さん、@harumaki_r さん、@HidetoyoNakano さん、@nicorista さん、@satoko さん、@MaricaYMさん、@akitaarekoreさん、@big_sis_rieさん、@imasa_aruminさん、 @lisboacafeさん、@tnomnomさん、@cayotさん、@wakegiorinoさん、@akisato_さん、 @satosixさん、@t_tomokoさん、@atoutitさん、@voicingantsさん、@greytweedさん、@ Ginzi_ITさん、@ohkubo1974さん、@hari_nezuさん、@ichirochanさん、@unpianistiqueさん、 @lichfieldgardenさん、@RieWatanabeさん、@uskdhさん、@yoji_tさん、@ikhrnetさん、 @wa_kaoさん、@ss_meowさん、@universe111 さん、@takumionoさん、@tkwnさん、@ masaeshimuraさん、@moni_aさん、@dai_jiroさん、@hsacoさん、@kenichin625さん、@ tittonさん、@mariamammaさん、@LLikappyさん、@harapekoaomusiさん、@hina_shella さん、@t_hiraiさん、@nyagaiさん、@tamatama2さん、@boxerconanさん、@ayakobingさ ん、@tachiiriさん、@wmsさん、@mika13 さん、@kzhirataさん、 @franc_papa_ さん、@ mean_valueさん、@hyukiさん、@thosoiさん、@mamakumiさん、@tsukamoto_ya2さん、 @kyontataさん、@youyeshangmeiさん、@kumiabさん、@fatstreetさん、@bookclubkaiさん、@muminpapamamaさん、@103atomさん、@Seinaさん、@harakoさん、@murate9さん、@yutomama_jpさん、@daieikenseipanさん、@clinamen_hiroさん、@mamakumiさん、@henry6thさん、

あけましておめでとうございます

ピクチャ 62008年の年末に始めた洋書に関するブログ「洋書ファンクラグ」と「洋書ニュース」は、洋書というニッチな分野ながらも、おかげさまでこの1年の間に1月のアクセス数が2万5千を超えるようになりました。出版社や著者から献本をいただきレビューや感想を求められることも増え、翻訳者や出版関係者との出会いもありました。何よりも嬉しかったのはブログ読者の皆さまとの出会いです。皆さまのおかげで、年末には洋書ファンクラブ「これを読まずに年は越せないで賞」といった読者参加型の企画も行うことができ、実り多き1年でした。

この「ひとり井戸端会議」や「才能を殺さない教育」「子供の才能を殺さないために親が読む本」などで私は以前から教育の問題点について何度か語ってきましたが、この1年は、ソーシャルネットワークを通じて交流した方々や得た情報の刺激で「私自身ができること」について考えるようになりました。

そうしてたどり着いた2010年の新企画が「洋書ファンクラブ ジュニア」です。

ピクチャ 7
 

この企画についてご説明する前に、私に強い印象を与えた2つの視点についてお話しさせてください。

まずは、ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫氏の「知の英語圏日本語圏問題」です。
 日本人の前にそびえたつ「言語の壁」で梅田氏はこう語っています。
 

「英語圏に生まれ育った若者たち」は、それが世界のどこであろうと、別の意味でリアル世界の物理的制約を軽々と超えていく。

日本語圏で生まれ育った若者たちについてはどうでしょう?

学ぶことから働くことまで、ネットがさまざまな意味で「人生のインフラ」そのものへと進化する今、「言語の壁」と言語空間特有の文化に封じ込められるゆえの「文化の壁」がそびえたってくるのを、改めて感ずるのである。

もうひとつの視点は、Googleがいかにして生まれ現在に至ったかを描いた「Googled」というノンフィクションから得たものです。

著者のKen Aulettaは、Googleの成功に不可欠なものとして情熱とビジョンを挙げ、「ビジョンなしの情熱は焦点が絞れていても電池が入っていない機械のようなものである」と説明しています。テストの点が過剰に尊重されている日本の教育では、1つの問いに対して1つの”正しい”答えを高速ではじき出すことがあたかも知性や能力と勘違いされています。「情熱とビジョン」はそういった教育からは生まれません。かえってその可能性を殺してしまうことでしょう。

私が「洋書ファンクラブ ジュニア」の企画を具体的に考え始めたのは、オンライン産経ニュースでの梅田氏の「進化を遂げる英語圏」を読んだときです。特に次の部分が印象的でした。 

インターネットは既存産業に破壊的なインパクトを及ぼすと同時に、利用者には圧倒的な利便性や生産性向上をもたらすものだ。私は勝手に「知の英語圏日本語圏問題」と呼んでいるのだが、世界語と化した英語の非対称性ゆえの構造問題と理解しつつも「これだけの知的興奮の可能性が英語の世界にしかもたらされないのか」と個人的には残念な気持ちが勝る。「日本語で学べる環境」や「日本語による知の創造の基盤」の競争力をいかに維持するのか。ウェブ進化の恩恵を受けて新しい地平が拓(ひら)かれる英語圏を見つめながら、日本人として考えるべき課題は山積だなあと悩む昨今である。

アメリカに住むアジア系移民の子供たちを見ていると、次の世代を担うのはこれらの「世界のどこであろうと、リアル世界の物理的制約を軽々と超えていく」英語圏の若者だと確信させられます。彼らには、世界語としての英語の能力だけでなく、Googleが誕生できる創造的な土壌で培われた情熱やビジョンがあります。日本語圏で育つ子供たちが彼らに対抗できるように、わずかでも貢献できないものかと考えた末に思いついたのがこの「洋書ファンクラブ ジュニア」なのです。

小学生の時点から洋書を日本語の本と同じように楽しむ癖をつければ、たとえネイティブのレベルに達することができなくても、大学生になったころから世界中の情報をリアルタイムで得ることができるようになるでしょう。また、ディスカッションやレビューを書くことを通じて自分でものを考える習慣が生まれます。点数獲得にこだわらず知識を得ることそのものを愛するようになれば、波乱が予想される将来で生き残る柔軟性も生まれるでしょう。

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英会話教師の育成学校、アメリカの小学校や中学校でのボランティアと取材、子育ての体験などから生まれた「洋書ファンクラブ ジュニア」は、日本に住む子供を対象とした洋書の読書推進プログラムです。

少数限定の有料プログラムの正式スタートに先立ち、必要な情報を得るための無料パイロットプログラムを行いますので、ご興味がある方はぜひ「洋書ファンクラブ ジュニア」をご覧ください。

数学問題の答え

怠け者イワンとトロールの物語


タチアナ8ルーブル、イワン7ルーブル。
正しい解き方というのはない。一番手っ取り早いのは、物語を2{2(2x-8)-8}-8=0という式にすることだが、小学校5年生が終わった時点ではまだ代数学を学んでいない。
日本で教育を受けた者には、方程式で素早く簡潔に解くのが良いことだ、という固定観念がある。ところが、フィンケルスタインは、この時点ではまだ習っていない代数学を使って解いた子よりも、独自の方法で解答にたどり着いた子を褒める。コンセプトを理解せずに正解を得たところで、それが親か公文塾から習った付け刃だということを彼女は察しているのだろう。

「五つの部屋がある家のパズル」の答え

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答えは、「不可能」。
18世紀の数学者レオンハルト・オイラーの有名な「ケーニヒスベルクの橋の問題」に類似したもの。オイラーは、橋の問題で一筆書きが可能になる必要十分条件を見つけた。頂点から出る枝が奇数のものがゼロか二つの場合にのみ可能になる。五つの部屋の場合、奇数の枝が出る頂点は4つあるので一筆書きは不可能。

あけましておめでとうございます

2008nypicture2これが2008年のニューイヤーEカード。

英語版にまったく説明を入れなかったので、「マサチューセッツ州では大雪が降っているというのに、なぜこのようなグリーティングなのか?」と不思議に思った人は多いよう。「ハワイにバケーションに行っているの?」という質問を受け取ってしまった。(それならうれしいのだけれど…)

わが家はみんな冬のスポーツが嫌いで、機会があれば暖かい場所に逃げ出す。
コネチカット州に住む姑は、(顔を見るだけで腹が立つらしい彼女の夫を置き去りにして)毎年もっとも寒さが厳しい3ヶ月をフロリダ州のリゾート・コンドで過ごす。2月に1週間学校の休みがあるので、毎年「遊びに来なさいよ」と誘われるのだが、夫と娘は3年前に一度遊びに行っただけでこりごりした様子。「二度と行きたくない」と陰でぼやいている。
その最大の理由は、1)リゾートがあるネイプルズは、フロリダ半島の南西側で、波がまったくない。2)リゾート人口の大部分はリタイヤした人々である。

町は整然としていて、暖かくて、ビーチには素敵なレストランや豪邸が並んでいるのだけれど、みんなおとなしくビーチに座っているだけで、誰も海で泳がないというリゾートは、われわれにとっては気が滅入る。トレーニングで1日に何十キロメートルも泳ぐ娘にとっては、体を動かさないのはかえって苦痛である。
泳ぎがさほど得意ではないので夫や娘のようにサーフィンはできない私も、波の下を潜ったり、サーフィンをしている人を見るのがビーチの楽しみである。何もしない人々に囲まれて、何もしないでいると、たった1週間でものすごく歳を取った気分になってしまう。

姑の友人のLさんは、このビーチに接した豪邸を持っていて、しょっちゅう姑をランチに誘うがビーチには来ない。
「Lは、海が嫌いなのよ。気が滅入るから、毎日たくさん抗うつ剤を飲んでるみたい」と姑が言うので、「じゃあなぜフロリダのビーチフロントなんかに住んでいるの?好きな場所に住めばいいじゃない」と軽く返したところ、「(フロリダ州の住民は収入税を払わなくてもよいから)Lのご主人はとてもたくさん財産を持っているのよ。だから、ここに住む以外の選択はないじゃないの」と私の無知を笑われてしまった。

だが、夫と私は「税金を払いたくないから嫌いな場所に我慢して住む」という感覚だけでなく、そんな感覚を持つ人々に囲まれて暮らすこと事態が想像できない。それに、他の年齢層や異なる職種の人々が存在しないコミュニティに住むと、Lさんではないが、たくさん薬を飲まないと一日を過ごせなくなりそうな気がする。夫と私は、「リタイヤしても、絶対にフロリダのリタイアメントコミュニティには住まない」と固く決意した。

沢山持っているのに幸福ではない人々を見ていると、リタイア後に夫婦で野菜作りをはじめ、ドライブ、写真撮影を趣味にしている私の両親がどれほど幸福な人々かわかる。私も、みんなから羨ましがられるような財産や豪邸よりも、毎朝目覚めるのが待ち遠しいような人生を送りたいと思う。

説明が長くなってしまったが、今年のわが家の目標は、お互いの存在と生きていることの幸運を楽しむことである。