国際的な場で通用する英語とは?

4月14日から始まり、改善したり、悪化したりをくり返している面倒な病気のために昨日はソーシャルメディアを全然チェックしていなかったのですが、どうやら「国際的な場での英語」についての討論が盛り上がっていたようです。

簡単に説明してしまうと、「アメリカ訛りの英語は、欧州では馬鹿にされる。通用しない」という主張に対する反論です(そのTogetterがありますので、詳しくはそちらをご覧ください)。

私も反論のほうに賛成するのですが、私自身の考えも、ちょっと付け加えてみたいと思いました。


私は、幼いときに読んだ「秘密の花園」、「小公女」、「ジェーンエア」の影響でイギリスに行くことを夢見、中学生の時からは英国ロックファンになりました。1981年、21歳のときに初めて訪れた外国も、イギリスでした。それから27歳になるまで、ロンドンの語学学校で英語を学び、ふたたびロンドンで英語教師養成講座を修了しました。

このように、私の英語体験は「イギリス英語」で始まったのです。

英国の語学学校で最初からしつこく教え込まれたのが、言い回しとイントネーションで『階級』がはっきり分かるから「必ず上流階級の言い回しとイントネーションを使うように」ということでした。その後仕事でロンドンを訪問し、ホテルのロビーなどでこれに気をつけると待遇が良くなるという経験はしました。

けれども、それ以外で英国訛りが重要だったという体験はほぼありません。

英国から日本に帰国したときに、アメリカ人やカナダ人の友だちができ、彼らに「この子、英国訛りがある〜」と面白がられましたが、まあその程度のことです。英国大使館の秘書のポジションをオファーされたのは、たぶんこの訛りが効いたのでしょうが、最終面接で「僕たち気があうから今すぐ雇ってあげてもいいけれど、君の性格だと僕の言うことをきかなければならない秘書の仕事がすぐに嫌になるよ」と言われて「そうですよね。じゃ、やめます」とあっさり言った人ですから、訛りより性格がずれていたわけです。

その後、アメリカ人の夫と知り合い、語学学校、広告代理店、デンマークの医療品の会社で働き、それぞれの場で英語を使い、北欧、東南アジア、中近東、アフリカと、いろいろな国の人と英語で交流するようになりました。

1993年から94年にかけて住んだ香港でも、欧州人が多いコミュニティに住んでいましたので、ここで仲良くなった人々との会話も英語でした。

そして、1995年からアメリカに移住し、私の英語からは英国訛りはすっかり消えてしまいましたが、時々訪れるロンドンで、英国訛りがないからと いって無礼な扱いを受けることもありません。時代が変わったのかもしれませんが、たぶん「訛り」よりも「態度」のほうが大切なのだと思うのです。堂々とそ の場に入ってゆき、きちんと相手の目を見て、臆することなく、しかも相手への尊敬を持って語りかければ、ホテルの受付の人も「この人はこの場に属する人 だ」というメッセージを受け取ってくれるのだと思います。若い頃の私は、そのあたりがよく分かっていなかったのかもしれません。

これは日常生活レベルでの英語ですが、仕事ではどうでしょう?

私の体験では、仕事での英語には訛りなどほとんど関係ありません。

デンマークの会社でよく交流していた管理職の方の英語は、英国英語ではなく、アメリカ英語でした。国際セールス会議で集まった人々の訛りもバラバラです。ここでは、医療や技術、営業のボキャブラリーがあればそれで十分でした。広告代理店勤務時代には、ハワイの不動産やツアー情報、日常会話のほうが重要でした。

「どんな英語を勉強するべきなのか」というのは、「何に使うのか」で変わってくるものなのです。

英国のホテルのロビーで働くのであれば、クライアントが求める上品な英国訛りの英語を習得すべきでしょうが、専門的なボキャブラリーはさほど必要ありません。科学者であれば、訛りなんかどうでもよく、専門的知識を語ることができ、論文を書くことができる英語能力が必要です。ビジネスには、そのビジネス独自の英語力が必要であり、ここでも訛りは無関係です。

アメリカ人の夫は世界中を飛び回って講演をしていますが、ロンドンの講演で「アメリカ訛り」があるからといって見下げられることはありません。訛りよりも、内容のほうが重要だということを、decent(まとも)な人であれば、誰でもちゃんとわきまえているのです。

先日私はポーランドでディスカッションに参加してきましたが、ここでも訛りはまったく無関係でした。

また、訛りは個性でもあるのです。

たとえばビル・クリントンの米国南部の訛りに、うっとりと心を奪われてしまう人は多いようです。

ジョージ・ブッシュ(息子)元大統領のテキサス訛りは好きではありませんが、アポロ12号の宇宙飛行士アラン・ビーンさんと語り合っているときには、彼のテキサス訛りほど暖かくて上品な英語はないと思ったほどです。

何よりも、忘れてはならないことは、英語を含め、言語はコミュニケーションのツールでしかないということです。

ツールを良くすることはもちろん大切ですが、それを使う人のほうがもっと、もっと重要なのだと思うのですが、いかがでしょう。

 

2 thoughts on “国際的な場で通用する英語とは?

  1. 英語 英語 と 五月蠅いと思っていましたが、
    すっきりしました。
    まさにその通りと思います。

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  2. hesssさま
    ツールとしての英語を上達させることは大切だと思っています。
    けれども、ツールや型にこだわりすぎている人が多すぎるのは、困った現象だとも思っております。

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