音楽と若者の心境ー裏切りと不信感Breaking Benjamin

私がこの年になってもロックが好きなのは、彼らの多くが音楽を本当に愛していて、それ以外に生きる方法を知らない不器用な人たちだからだと思います。
特に、ライブに行くとバンドの善し悪しがすぐにわかります。
ライブで期待を絶対に裏切らないのが、このBreaking Benjamin (ブレイキング・ベンジャミン)です。。この数年はThree Days Graceと一緒にツアーをしています。どちらも、非常にライブでの演奏がすばらしいバンドです。特に、ボーカルのBen Burnley(写真はバンドの公式サイトより)の声は、ライブでも録音のものとほとんど変わらない質とボリュームです。もっとも最近行ったライブでは健康状態が芳しくなかったようで、私が好きなBlow Me AwayDance With The Devil を歌わなかったのが残念でしたが。

Knox10 Breaking Benjaminは、ボーカルとギタリストのベンジャミン・バーンレイが率いるフィラデルフィア出身のバンドです。バンドの名前は、ベンがあるギグでマイクを落として壊し(ブレイキング)、オーナーに怒鳴られたことから来ています。すべての曲はベンが作詞作曲したもので、Nirvana, Toolなどの影響を受けているということですが、それらよりもドラマチックな展開の”格好の良い”曲が多く、ビデオゲームやトランスフォーマーのBGMにぴったりです。
とはいえ、決して馬鹿にしているわけではありません。
最新アルバムの「フォビア」はどれをシングルカットしても良いような、完成度の高いものばかりです。
恋人だけでなく、友人との人間関係での裏切りとそれに対する怒り、憎しみを表現したものが多く、それもファンに「その気持ちがよくわかる」という近親感を与えるようです。「Had Enough」の以下の詩
は、バンドを一緒に作り後に決別したドラマーのジェレミー・ハメルがバンド仲間を訴訟した事件に対する直接的な返答だと言われています。
You had to have it all, well have you had enough ?
You greedy little bastard, you will get what you deserve
When all is said and done, I will be the one
To leave you in your misery and hate what you’ve become
(おまえは、全部自分のものにしなければ気がすまなかったんだろう。それで、満足したか?欲張りのろくでなし。おまえに起こることは自業自得だ。おまえが言いたいことを言い、やりたいように振る舞った後で、惨めな有様になった自分を恨むおまえを残して去るのは俺のほうなのだ)

最も一般に知られているのは、バンドを有名にした「So Cold」最近のヒット曲「Diary of Jane」ですが、コンサートに行きなれているファンにとっては壊れた関係をテーマにした「Breath」のほうが親しみがあるかもしれません。

典型的なコンサートでは、マッシュピットで必ずもみ合いに近いダンスがありますから、怪我をしたくない人は避けた方が賢明です。また、コンサートに行くチャンスがあれば、ぜひいくつか歌詞を覚えてゆきましょう。「Breath」など、観客が一緒に歌うことを期待されるからです.

米国初の女性大統領をあきらめる時が近づいている?

080321richardsonhmed10asmall米国で唯一のヒスパニック系の知事であるニューメキシコ州のビル・リチャードソンが、オバマ支持を表明しました。
リチャードソンはクリントン夫妻と個人的にも親しいことで知られており、これがクリントン陣営に打撃を与えたことは明らかです。

ビル・リチャードソンは、オバマ支持の理由を「この国を団結させることができる大統領」になれるからだと説明しています。
ヒラリー・クリントンとバラック・オバマの選挙戦のトーンがネガティブなものになってゆくにつれ、どちらが候補になっても11月の総選挙の際にネガティブなイメージが定着してまい、共和党に負けるのではないかという恐れが強くなってきています。
共和党のマッケイン候補は、クリントン候補とオバマ候補が民主党候補指名選を戦っている間に、海外諸国を訪問して「大統領らしいイメージ」を広めています。

11月の総選挙に民主党が勝つためには、指名選を長引かせずに、クリントン候補が身を引き、「オバマ大統領、クリントン副大統領」のチケットを確立してほしい、と願う民主党員が増えています。近いうちに、リチャードソン知事のような民主党のスーパー代議員がオバマ支持を表明して決着をつけてしまう可能性があると私は予想しています。
たぶん、それは4月22日のペンシルベニア州の予備選の結果を待ってからのことだと思います。そこでオバマ候補が白人票を多数取ることができれば、これまで支持を表明していないスーパー代議員がオバマ支持を表明することでしょう。なぜペンシルバニア州がこれほど大切かというと、この州はフロリダ州やオハイオ州のようにどちらの党の候補にも動く可能性があり、それが最終的な結果を左右する可能性があるからです。(たとえばマサチューセッツ州では民主党が圧倒的に強いために、共和党候補が勝つ可能性はほぼゼロ。ユタ州は住民の73%が共和党なので民主党候補が勝つ可能性はほぼゼロ)
しかし、ここでクリントンが圧勝したら、8月25日の党大会まで決まらない可能性もあります。

J.K. Rowlingとうつ、自殺念慮

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ハリー・ポッターシリーズの作者J.K. Rowlingが、スコットランドの大学の学生雑誌で、一時期うつになり自殺念慮があったことを告白しています。(AP。参照はMSNBC)
それは、ハリー・ポッターを出版する以前のことで、最初の夫と別れ、シングルマザーとして経済的に困窮していた時期で、彼女は9ヶ月間認知行動療法を受けたということです。
(左の写真はJ.K. Rowling。Biography Onlineより)

彼女の尊敬すべきところは、自分の体験を以下のように語っているところです。
"I have never been remotely ashamed of having been depressed. Never,""What’s to be ashamed of? I went through a really rough time and I am quite proud that I got out of that." (「私はうつだったことを、ちっとも恥じたことはありません。本当に全然」「なぜ恥じなければならないのでしょうか?私は本当に困難な時期を体験したのです。そして、それから抜け出したことをけっこう誇りに思っているのですよ」)

J.K. Rowlingが大学の雑誌で初めてこのような体験を語ったのは、若者に「どんなに成功している者でも、徹底的に困難な時期を体験している」、「うつや自殺念慮を恥じることはない」、「抜け出せば、将来に予期しない良いことが待っているかもしれない」というメッセージを与えたかったのかもしれません。
彼女のこのうつの体験が、ハリー・ポッターが一番恐れていた闇の存在「ディメンター」のモデルになったということです。その部分に、私は「なるほど」と思いました。希望や幸福感を吸い取ってしまうことが人の身体を傷つけるよりも致命的なのだということは、うつを体験した彼女でなければ思いつかなかったことでしょう。

才能を殺さない教育 第二章 成功の定義(その4)

客観的な成功を狙うと、幸福にはなれない

取材した生徒たちの何人かはすでに大学生活を経験している。
親ではなく、本人が大学を選び、学力が適していた者は、大学生活を楽しみ、アイビーリーグやMITといった世界で最高の頭脳が集まる大学でも良い成績を取るのには苦労していないようである。
競争の激しいレキシントン高校で成績がふるわず、さほど有名ではないが小規模の優良大学に行った男子生徒は、大学で非常に良い成績を取り、希望した大学院にはすべて入学が認められた。「レキシントン高校では、あまりにも頭の良い子が多すぎて、大学に入るまで自分がこんなに頭が良いとは知らなかった」と彼は笑った。「高校で知らない間に勉強の仕方を学んできたようだ」と私に言ったのは彼ばかりではない。レキシントン町と似通った近隣の町で、競争の激しい公立高校を卒業し、ブランド名が高くない優良大学に入学した者の多くが、大学でさほど努力せずに良い成績が取れることを指摘している。

親が「うちの子は**大学に入りました」と自慢するために大学を選んだ場合、あるいは自分自身がライバルに勝つために有名校を選んだ生徒は、合格したときには嬉しいが、入学した後での幸福度は自分で選んだ生徒に比べると低いようである。
幸福の基準を自分の価値観ではなく、他人の価値観に置くと、数字ではっきりとわからない達成には満足しにくいからではないだろうか。
また、学業以外の理由(スポーツや音楽)で実力以上の大学に入学した者は、学業がふるわずに苦労している。

せっかくアイビーリーグの大学に入学できても、そこで良い成績を取れなかったら大学院には入りにくくなる。かえって、ブランド名が高くない大学で良い成績を取った者のほうがアイビーリーグの大学院には入りやすいのである。

しかし、大学がそうであるように、有名校の大学院に入学するのが成功だという考え方も、他者の評価で自分の幸福をはかっているのは同じである。他者の評価に頼っているかぎり、人は決して幸福を実感することはできない。

成功を実感するためには

私と同年代(40代から50代)で成功を実感している人々の共通点は、「自分の仕事が好きだ」ということである。

大学で都市計画を教えている教授は、夕食を一緒に取るたびに世界各地で自分が関わっている都市計画を身振り手振りを交えて語ってくれる。彼の話を聞いていると、この世に都市計画ほど面白い分野はないように思えてくる。

夫のすぐ下の弟は、日本人どころかアメリカ人でも聞いたことがないような大学を卒業し、最初の職は中堅企業の営業員でしかなかった。それが、いくつもの変遷を経て、現在では日本人でも知っている大企業の重役になっている。自分に自信が持てない青年時代を過ごした彼は、仕事を経てようやく自分の得意分野と価値を知り、自分を好きになったようである。彼のカリスマ性は、仕事を通しての自己発見にあったといえるだろう。

私の夫は、インターネットを中心としたマーケティングとPRの専門家として著作のかたわら講演で世界各地を飛び回っている。もともとは、ウォール街で金融関係の仕事をしていた彼が、まったく異なる分野の専門家になったのは偶然のことではない。
最初のステップは、「大学でこれを専攻したらこの職業につかなければならない」という既成の概念を捨てたことである。そして、次の大きなステップは、「会
社の重役」という他者の評価による成功の概念を捨てたことである。独立してからの幸福感は、今とは比較にならないと彼は言う。

少し年上になるが、引退した小学校の校長は、70歳を超えた現在でも町のボランティアのかたわら大学院で校長をめざす学生を指導している。彼にとっては、教育こそが人生の情熱なのである。

上記の4人の共通点は、MIT,ハーバードなどの大学生あるいは卒業生を相手に講義をする立場にありながら、自らはそれらのブランド大学を卒業していないということである。また、彼らは自分のやっている仕事が好きで、「これ以外のことをやっている自分は想像できない」ということである。
入学した大学で成功は決まらない。そして、好きなことをやる、というのが成功への一番の近道なのである。

若者と音楽ー自殺その2 ”You’re Not Alone”ーSaosin

自殺をテーマにしたロックの曲は沢山あり、それが若者の自殺を助長しているのではないかという説もありました(専門家による研究では否定されているようです)。
けれども、以前ご紹介したThree Days GraceのNever Too Lateのように自殺をやめるよう呼びかける曲も多々あります。「君はひとりぼっちじゃない。そこから抜け出すことができる」と歌う、Saosin(サオシン)の"You’re Not Alone"もそのひとつです。
日本であまり知られていないだけでなく、アメリカ合衆国でもマイナーなバンドですが、このところラジオでこの曲がよくかかるようになってきました。
(翻訳を載せて差し上げたいところですが、著作権の侵害にあたる可能性があるので、控えさせていただいています)2007年のProjekt Revolutionに参加していますが、彼らはまだマイナーなので、メインのステージではなく、日中に行われる別ステージでの演奏でした(そこでもトリではないという扱い)。
日本受けしそうなメロディーですから、日本で成功する可能性はあるかもしれません。

HIMーフィンランドのメランコリックなメロディとメタルの融合


H.I.M. - The Funeral Of Hearts

H.I.M. – The Funeral Of Hearts


今日は日本ではあまり知られていないフィンランドのバンドをご紹介しましょう。
HIMの魅力は、まずはリードヴォーカルのVille Valo(ヴィレ・ヴァロ)のルックスとディープな声でしょう。(潔いくらい自己認識ができているナルシズムとデッドパンなユーモアのセンスも重要な要素)。このキャラクターとフィンランド特有の物語性が強いメランコリックなメロディにブラック・サバスの影響を受けたメタルが融合した独特のロック(Villeは、ラブメタルと呼んでいます)が、いまだに日本で流行っていないのが不思議です。
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Ville Vallo (HIMの公式サイトMy Space

HIMは祖国フィンランドでは英雄扱いされていて、ドイツでの人気も異常に高いバンドですが、なぜかアメリカ合衆国ではさほど知名度が高くありません。
2007年にLinkin Park が率いるProjekt Revolutionに参加し、私もマサチューセッツ州のマンスフィールドに見に行きました。しかし、残念なことながら、Ville Valoのコンディションは最悪だったようで、肌のきめと色が悪く、不機嫌で、このライブでの印象は良くありませんでした。(私は一番前の中央で見ていましたから、そういう細かいところまでよく見えたのです)
歌っている最中もチェーンスモーキングを続けることでは知られていますが、そのためか声量が少ないように感じました。声がほとんど聞こえないのはミキシングのせいでもあったようで、Ville はステージの横を見て、マイクの音量を上げるように苛立ったジェスチャーを繰り返していました。ヨーロッパでのコンサートビデオなどを見るとジョークは言うし、笑顔を見せるし、観客と一体になるよいライブをするバンドらしいので、本当にがっかりしました。

ファンの娘に言わせると、「ヨーロッパでは、彼らのためにみんな集まるんだよ。フィンランドから熱いアメリカを何ヶ月もツアーして、しかも他のバンドのために集まったファンの前でたった40分だけ演奏するのは、誰だって嫌だよ」ということで、次はぜひ小さなホールで体験したいバンドです。
おすすめは、"The Funeral Of Hearts", "The Wings Of  a Butterfly", "Killing Loneliness"," Kiss of Dawn" などですが、私の個人的なナンバー1は、"Sleepwalking Past Hope"で、最近のロックには珍しく、10分の長い曲にはちょっとしたひねりがあってなかなかクラシックです。

今のアメリカ合衆国が必要とする真のリーダー

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最近になって、大統領候補のバラック・オバマ氏の宗教的指導者であり、家族同様に親しくしているシカゴの有名なブラックチャーチ(信者のほとんどが黒人の教会)Trinity United Church of Christのライト元牧師が過去に行った説教が問題化しました。
問題になったのは、以下の部分です。(MSNBCより抜粋)
“Barack knows what it means, living in a country and a culture that is controlled by rich white people,”  “Hillary can never know that. Hillary ain’t never been called a [二ガー]!”(バラックは、金持ちの白人にコントロールされた国と文化で生きることの意味を知っている。ヒラリーにそれを実感することはできない。ヒラリーは「二ガー(黒んぼ)」と呼ばれたことなんかないのだ)

(写真は、バラック・オバマ候補。MSNBCより)

“We bombed Hiroshima, we bombed Nagasaki, and we nuked far more than the thousands in New York, and we never batted an eye,”  “We have supported state terrorism against the Palestinians and black South Africans, and now we are indignant because the stuff we have done overseas is brought right back in our own front yards.”(我々は広島に原爆を落とし、長崎に原爆を落とし、ニューヨークよりも何千人も多くの人々を原爆死させたが、平然としていた。パレスチナ人や南アフリカの黒人に対する国家のテロを援助した。外国で我々がやってきたことが、今になってこの国に戻ってきたからといって、憤慨している)

日本人ならば「ごもっとも」と同感しそうな説教ですが、愛国心を最も重んじるアメリカ国民にとって、ニューヨークの同時テロがアメリカの自業自得だというのは非常に問題発言なのです。個人的に親しい黒人牧師の極端な白人逆差別発言と非愛国者的発言は、オバマ氏にとって致命的になるかもしれない、と見られていました。

しかし、オバマ候補は、今日演説で、ライト牧師のこれらの説教は強く否定するが、彼の人となりを尊敬しており、縁を切ることはしないと毅然とした態度で語りました。自分を育てるために尽力してくれ、非常に愛している白人の祖母が黒人に対する恐怖を口にしたり、人種差別的な発言をしたことをあげて、たとえすべての意見に賛成することができなくても、彼らは自分の一部であり、アメリカの一部だと説明しました。
すべての演説はこちら。スピーチライターを使わずに、自分自身で書いたものだということです。

この演説は、彼が日頃語っている「自分とは異なる思想・理念を持った人々とも協力してゆける」という長所を引き出すものでした。この演説により、オバマ候補は潜在的に政治生命を失いかねない苦境を脱出しただけでなく、彼を知らなかった人々にも「大統領になるだけの知性と理性を兼ね備えた人物」という印象を与えることになったと思います。

先見の明はなかなか評価されない

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リチャード・ゲッパート元民主党下院院内総務
ソースhttp://www.gephardtandassociates.com/pages/team.html

昨日、講演のためにフロリダ州を訪れていた夫から電話があり、いきなり「今日レストランで昼食をとっているとき、偶然誰が隣に座ってたと思う?当ててごら
ん」という謎々。出張が多い家族の一員の名を上げたら、「絶対に思いつかないと思う」と言うものですから、「それなら最初から尋ねないで名前を言った
ら?」と返しました。
その人物は「ディック・ゲッパート」。

覚えていらっしゃいますか?2004年の民主党大統領候補指名選挙で候補だったリチャード・ゲッパートです。
2004年の選挙戦で、彼は北米自由貿易協定(NAFTA)への反対、という当時ではあまり人気がない政策を強く支持していました。
そして、NAFTAのせいでアメリカ国民が職を失った、というイメージが強くなった今でも「ディックには先見の明があった」という意見は耳にしません。

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ハワード・ディーン民主党全国委員長
ソースhttp://commons.wikimedia.org/wiki/Image:HowardDeanDNC.jpg

さて、2004年の選挙でイラク戦争に激しく反対していたのが、元ヴァーモント州知事のハワード・ディーンです。 
「イラク戦争で、イスラム教のテロリストはかえって増加するであろう」といった彼の予言の数々はは(残念なことに)すべて的中してしまいましたが、それでも彼をあざ笑ったメディアは「彼には先見の明があった」と謝罪することはありません。

私がこの2人を尊敬するのは、自分の政治生命にとって賢明ではないが正しいと信じることを言い続けたことです。これが「潔さ」というものなのだと思います。

今年の予備選で、私が住むマサチューセッツ州の民主党の過半数はクリントン候補を選びましたが、私が住む町は圧倒的にオバマ候補支持に傾きました。これらは、2004年のハワード・ディーン支持者とほぼ重なります。今回どこが異なるか、というと、オバマ候補が、理想主義者の若者の熱狂的な支持を得つつ、民主党の古株の神経を逆なですることもなく、自分とは異なる立場の人と手を組むことができる、という点です。ディーンに欠けていた駆け引きができるオバマは、それだけでも「大統領として必要な政治的手腕がある」と評価されるべきでしょう。でも、ディーンが彼の基盤を作ったことを私たちは忘れてはならないと思うのです。

さて、ゲッパートは、現在経済アドバイザーとしてクリントン陣営を援助しています。また、スーパー代表議員(Super delegates)として、クリントン候補への投票も明らかにしています。

若者と音楽ー自殺(”Never Too Late” – Three Days Grace)

 
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Three Days Grace のビデオはここで見ることができます。
"Never Too Late" のオフィシャルYouTubeはこちら。

自殺をテーマにした音楽は沢山ありますが、スリー・ディズ・グレイスの"Never Too Late"は、自殺したいと思っている者に「決して遅すぎない」と訴えるものです。
それに効果があるのかどうかは別として、聞く者に「そうだなあ」と思わせてくれる説得感がある曲です。
翻訳を載せて差し上げたいところですが、著作権の侵害にあたる可能性があるので、控えさせていただいています

カナダ出身のバンドThree Days Graceのリードヴォーカリストのアダム・ゴンティアは、麻薬系鎮痛剤オキシコンティンの依存症で2005年にトロントの解毒センターに入院していました。2枚目のアルバム”One-X”に収められた曲のほとんどは、このときに書かれたものだと言われています。
特に、"Never Too Late" と"Animal I Have Become"は、彼の実体験が反映したもので、"Animal I Have Become"の「誰か助けてくれ。これが本当の僕ではないと、誰か信じさせてくれ」という叫びは、実にリアルです。

アダム・ゴンティアは、後日バンドとともに自分を助けてくれたこのセンターを訪問してティーンエイジャーが中心の患者を相手に演奏しています。

”One-X”に収められた曲は、すべてシングルカットできそうな完成度の高いものばかりです。私は2度彼らのコンサートに行っていますが、コンサートの質が非常に高いバンドです。私にとっては、現時点でローリングストーンズ(ミック・ジャガーを目の前で見ましたが)よりもコンサートの満足度が高いバンドと言えます。
バンドの公式ウェブサイトはこちら

差別の複雑さ


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アメリカ初の女性副大統領候補であったジェラルディン・フェラーロ(Geraldine Ferraro)元下院議員のオバマ氏に関する発言が問題化し、彼女はヒラリー・クリントン陣営の財政委員会の委員を辞任しました。(写真はフェラーロ元下院議員/パブリックドメインのイメージ)

彼女の発言をそのままここに引用しましょう。

“If Obama was a white man, he would not be in this position. And if he was a woman (of any color) he would not be in this position. He happens to be very lucky to be who he is. And the country is caught up in the concept.”
「(オバマが白人男性であったなら、今の立場にはなかっただろう。もし、彼が人種にはかかわらず女性であったならば、今の立場にはなかっただろう。たまたま、彼の背景《父が黒人で母が白人であるということ》が非常に幸運なことであり、この国はそのコンセプトに夢中になっているのである)」

この部分の発言だけが注目されていますが、ここに至る前に彼女はメディアのヒラリーに対する過剰に厳しい批判とオバマ氏に対する甘さを次のように苦々しく語っています。

"I think what America feels about a woman becoming president takes a very secondary place to Obama's campaign – to a kind of campaign that it would be hard for anyone to run against," she said. "For one thing, you have the press, which has been uniquely hard on her. It's been a very sexist media. Some just don't like her. The others have gotten caught up in the Obama campaign.

彼女が正しいか、正しくないか、は別として、政治的に賢い対応は、候補者を守るために「自分が間違っていなくても謝ってしまい、辞任する」というものです。しかし、フェラーロ元下院議員は自分の発言が「黒人差別」であるという非難を完全に否定し、謝罪をしませんでした。女性差別の深さの指摘と、国とメディアがオバマキャンペーンのコンセプトだけに浮かれて応援し、ヒラリーを根拠なく攻撃しているという批判が故意にねじ曲げられており、自分が間違ったこと言っていない以上謝罪することも間違っているという彼女の強い信念によるものです。

ヒラリー・クリントン氏は、これで非常に難しい立場に立たされました。フェラーロ元下院議員は彼女にとって財政委員のメンバーというだけでなく、個人的に尊敬する親しい間柄です。しかし、ここで彼女をかばうのは致命的です。公的に「私は彼女の発言には賛成できない」という中途半端なコメントをするしかなかったのには、こんな背景があります。
しかし、舞台裏で2人が話し合ったのは間違いありません。昨日、フェラーロ元下院議員は財政委員会のメンバーを辞任しました。

さて、興味深いのは一般人の心境です。
今朝のCNNのQuick Vote(オンラインでの意識調査)の「フェラーロ元下院議員は謝罪するべきだと思うか」という質問に対して、54%が「NO」と答えているのは非常に興味ぶかい結果だと私は思いました。というのは、ブッシュ大統領や戦争に関する質問の結果は通常8割程度リベラルに傾くからです。ということは、リベラルの中でもフェラーロ元下院議員に賛成する者が多いということです。

差別をコンセプトとして理解するのと、実感するのは大きく異なります。
祖父が奴隷だったという知人の黒人男性にとっての人種差別と、宗教的にもアメリカ合衆国のマジョリティに属する裕福な中流階級で育った白人男性である私の夫が感じる人種差別は、まったく異なります。
私が会った何人かの白人は、法が強要するがために、職場で他の人種よりも能力が低い黒人を雇わなければならなかった経験を苦々しく語りました。有名大学は、黒人とヒスパニック系アメリカ人の数を増やすために、白人やアジア人よりも学力の低い者を受け入れます。これらの現実を「逆差別」だと感じている者も、アメリカ合衆国には多く存在するのです。しかし、ハーバード大学やイエール大学で学んだ黒人は、周囲の学生から「おまえは黒人だから入学できたのだ」とみなされ、対等に扱われなかった体験を語ります。
女性であるがために”男性の領域”で多くの障壁と戦ってこなければならなかったフェラーロ元下院議員にとっては、女性差別のほうが人種差別よりも強く感じたのではないかと私は思うのです。

差別というのは、その人がこれまで生きてきた歴史により非常に異なるものだということを、日本人はなかなか理解できないと思います。
ちび黒サンボやカルピスのシンボルについての日本での反対運動には、私は苦笑しか覚えませんでした。差別されている者は誰なのか、運動が成功して解放されるのは誰なのか、どのような差別意識が解消されるのか、それらを彼らは認識していたのでしょうか?
私はこう思いました。日本には日本にしかない特別な差別があり、もし運動に力を注ぐのであれば、それをまず解決すべきなのです。

さてこちらの人々が言いたくて言い出しにくい傾向があります。
それは、最近の選挙結果(黒人投票者の9割がオバマ氏に投票している)に対し、白人の間に一種の不安感といらだちが生じているということです。黒人が権力を握る、ということに対する白人優先主義者の不安は明らかですが、それ以外にも、候補の政治的立場を無視して「黒人だから」という理由だけで投票する者が国の将来を決めることへの不信感もあります。
また、ヒラリーの支持者の中には、長年黒人層のために尽力してきた実績があるクリントン夫妻よりも、(黒人層のために戦った)実績がほとんどないオバマ氏を「黒人だから」という理由だけで支持する黒人の投票者に対する失望と憤りも感じられます。

しかし、「女性だから」という理由でヒラリーに投票する高齢の女性たちも多いのです。ですから、フェラーロ元下院議員のようにコンセプトに熱中することを非難することもできません。
差別には、個人の体験、立場に加え、宗教、学問的背景、理念などが複雑に絡んでいます。決して一方通行ではありません。