失敗する人生のほうが素晴らしいと教えてくれるエッセイ『宇宙を目指して海を渡る』

今年(2014年)5月、パサディナで開催されたSpaceFestで、とある企画のためにアポロ11号のバズ・オルドリン氏と話し合う機会がありました。

パサディナには、NASAのジェット推進研究所(JPL)があります。この機会に、MIT(マサチューセッツ工科大学)で航空宇宙工学科の修士号と博士号を取得してJPLに就職した小野雅裕さんにお会いしました。小野さんのことは、MIT時代の友人たちから聞いていたのですが、これまでツイッターやFacebookで交流するだけで実際にお会いするのはこのときが初めてでした。

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MIT Press(マサチューセッツ工科大学出版)からMarketing the Moonを刊行したばかりの夫は、アポロ宇宙飛行士とも交流があるアポロおたくです。そこで、小野さんと一緒にブースにいる宇宙飛行士たちを訪問したりして楽しみました。

このときにいただいた小野さんのご著書『宇宙を目指して海を渡る』を、ようやく読ませていただいたのですが、面白くて一気に読みきってしまいました。

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アメリカの大学入試がよくわかる良心的な書『アイビーリーグの入り方』

以前からこのブログなどでも語ってきたことですが、アメリカにはハーバード大学以外にも非常に優れた大学が沢山あります。ハーバード大に入学した生徒よりも優秀な学生が、積極的に別の大学を選ぶことは、日本人の皆さんが想像するよりずっと多いのです。

むしろ、アジア人に人気がある(ゆえに同じような生徒が集まる傾向がある)ハーバード大を避けるアジア系の学生もいますし、「一番」というブランド力にこだわる学生が集まるのを嫌って避ける学生もいます。ひいおじいさんの時代からずっと「イェール」だから同じ大学に行くという人もいますし、「ブリガム・ヤング」や「ノートルダム」のように宗教で選ぶ人もいます。ヒラリー・クリントンが卒業した「ウェルズリー」は、女性が男尊女卑の傾向に邪魔されずに強いリーダーシップを身につけられることで有名です。ですから、日本のように偏差値のはっきりした序列などはないのです。

また、アジア系の学生はSATという統一テストの点数にこだわりますが、このテストは練習さえすれば高得点を取ることができますので満点でもさほど有利ではありません。アメリカの大学は、テストの点を取ることだけが上手な生徒を優遇しないのです。

これらの日本人が誤解しがちなアメリカの名門校や大学入試のシステムについて、非常に良心的に解説しているのが冷泉彰彦さんの新著『アイビーリーグの入り方』です。

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子どもを叱るコツ、しつけるコツ

現在21歳の娘を育てるあいだに、いろいろ迷いつつ学んだ、「幼い子の叱り方、しつけ方のコツ」です。
自分自身が子どものときに「嫌だ」と思ったことも反映させました。
よろしかったら、ご利用ください。

1)ルールを最初からはっきりさせる。

いきなり叱られると、「怖い」「愛されていない」というメッセージだけが伝わり、何について叱られたのか理解できない。

 

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遠くで放射能について騒ぐより、現場で力を尽くしている人の声に耳を傾けて欲しい。『復興は教育からはじまる』

最近また福島での「鼻血」がネットで話題のキーワードになっています。

私のツイッターフォロワーには冷静に情報を分析する人が多いのですが、感情的で煽情的なツイートも目につきます。

原子力発電を含むエネルギー問題は、「地球の温暖化による環境破壊をどうするのか?」という大きな課題もあり、私自身は、この分野について学べば学ぶほど、「●●をすればいい。簡単だ!」という極論を言うことはできないと強く感じるようになっています。私の「信念」は長年の間に何度も移り変わりましたから、いろいろな「信念」を持っている人を頭ごなしに否定することはできないと思っています。ですから、私とは異なる考え方をする人のツイートも読みますし、それだけでフォローを外したりはしません(他人の人格を攻撃したり、非論理的な思考を押し付ける人は別)。

ただし、地震と原子力発電所からの放射線被害を受けた地域から遠く離れた場所で、あたかも自分が正義の味方のように騒いでいる方々にはウンザリするだけでなく、憤りを覚えます。

その人たちの「正義の叫び」が、毎日現場で頑張っている人たちを傷つけ、復興の邪魔をしていることを、知ってほしいと心から思うのです。

2012年、私は縁があって福島県の南相馬市を訪問しました

地震、津波、放射線被害とすべての災害を被り、子どもたちが暮らす場所も学校の校舎も「仮設」のままという場所です。

そこで会った方々の献身的な努力に、私は何度も心を動かされました。彼らの声をしっかりと届ける方法を見つけられないでいたのですが、南相馬市に連れて行ってくれた友人の星槎大学教授の細田満和子さんと共著者の上昌広さんが『復興は教育からはじまる』という本にまとめてくださいました(目次はこちらで読めます)。

 

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子どもが心理的な暴力を受けない権利を無視しないでほしい。

オリジナルの投稿をしてから、賛否含めた多くの反応があり、語り合ったうえで、考えを整理し、次のように書き直しました。オリジナルが読みたい方は、こちらに保存してありますのでどうぞ。

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肉体的なことに関して、たとえば大学のスポーツ部でよくある「シゴキ」に近い特訓を9歳児に与えたとし、「9歳にはキツすぎたかもしれない。けれども、それを乗り越えられたのだから役に立ったのだ。だから、すべての小学生からその機会を奪う大人は間違っている。与えるべきではないか」と主張したら「何を言っているのだ?」と叩かれるだろう。

少なくとも、疑問に思う人のほうが多い筈だ。
その子によっては、乗り越えて逞しくなる機会かもしれないが、成長に合わない特訓は、身体を壊してしまう。つまり肉体的なトラウマになる。

だが、肉体的なことではなく、情緒や心理に大きな影響を与えるビジュアルや文章の情報については、日本人は非常に無頓着だと思う。

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本を読むこと、英語を学ぶこと

最近、『ジャンル別 洋書ベスト500』という本の執筆に追われていました。

そのリストに含まれている作家にも20人近く会って、この本のことを伝え、とても面白い体験になりました。

この執筆でいくつか気づいたことがありますが、特にお伝えしたいのは、「その道のプロは、けっこう別のジャンルの本を読んでいる」ということです。

 

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ゆるく、自由に、そして有意義に「やりたい人がやるPTA」その6

本ブログで連載した『住民が手作りする公教育』の番外編として、PTAについて非常に興味深い提案をされている作家の川端裕人さん にお話を伺いしています。

今回初めての方は、その1から続けてお読みください。全部はこちらから。

 

対談その6「日本のPTAで難しいのは、どこの部分か」

Kawabata前回、レキシントンでのPTA活動の「リーダー」についてお話を伺いました。「できない人には「できること」だけをやってもらい、楽しさを体験してもらうことで「やる気」を出してもらう」というのは大事なこと、といったことでしたね。

Yukari私が自分の失敗から学んだのがそういうことでした。

 

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